ベンチマーク制度における目標とは、事業者が中長期的に目指すべき高い水準であり、以下のような観点を踏まえて設定されている。
目標年度よりも早く、多くの事業者が目標達成した場合などは、その目標値は十分に「高い水準」とは言えないため、新たな目標値と目標年度を検討することとしている。
2025年度報告(2024年度実績)では、石油化学や小型コンビニ等の複数の業種において、高い達成率となっており、目標値見直しの検討対象となり得る。
今年度の見直しにおいては、目下の中東情勢による影響を特に受けているものを除き、直近の複数年度において達成率が約4割以上で推移している業種を検討の対象とすることとした。また、エネルギー使用量が相対的に少ない業種も今回の検討対象から除き、今回の見直し対象は、電力供給業、石炭火力電力供給業、洋紙製造業及び板紙製造業の4業種とされた。
なお、目標年度は、これまで全業種一律に2030年度としていたが、業種によりエネルギー多使用設備の更新周期などが異なることを考慮し、今後は業種別に目標年度を設定することとした。
省エネ・非化石転換法のベンチマーク制度において、電力供給業とは電気事業法上の「発電事業者」であり、現時点、火力発電のみが対象とされている。
電力供給業のベンチマーク指標は2016年に改正され、2つのベンチマーク目標値(ベンチマークA指標:1.00以上、ベンチマークB指標:44.3%以上)が設定されている。
ベンチマークA指標は、各社の燃料種構成で有利不利が生じないよう、燃料種別に既存設備の最高水準に相当する発電効率(石炭火力:41%以上、LNG火力:48%以上、石油火力:39%以上)を目標値として、発電量に応じた重み付け評価を行うものである。
また、ベンチマークB指標は、A指標で用いた既設火力の目標発電効率に、2015年度当時のエネルギーミックス(全体の電源構成において、石炭26%、LNG27%、石油3%、火力合計で56%)を乗じた総合的な発電効率を評価するものである。
ベンチマーク指標は原則、「上位1〜2割の事業者が満たす水準」として設定すべきところ、電力供給業では当時のエネルギーミックスなどに基づき設定したため、2017年度実績報告の当初から、4割以上の事業者がベンチマーク水準を達成し続けている。なお、事業者の属性別に見ると、旧一般電気事業者の達成率は30%(3/10)、その他の事業者の達成率は約50%(37/79)である。
また、現時点のベンチマーク指標は、旧省エネ法のエネルギー定義などを適用しており、バイオマスや副生ガスなどはエネルギー投入量から控除されるため、バイオマスなどの混焼率を上げることにより、ベンチマーク水準を達成しやすい構造となっている。
今後のWGでは、エネルギーの使用の合理化をより効果的に促すという制度本来の目的だけでなく、電力の安定供給や脱炭素化といった点も考慮しながら、新たなベンチマーク指標及び水準について、検討を進める予定としている。
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