現行の洋紙製造業ベンチマークでは、2021年度実績から事業者の再エネ使用率の違いを考慮する指標としている。これは、現時点のベンチマーク指標は旧省エネ法のエネルギー定義などを適用しており、黒液などの非化石燃料の使用率の高い事業者がベンチマーク水準を達成しやすい構造となっていることや、その再エネ使用率は、パルプを自社で製造するか否かに依拠することを考慮したものである。
ベンチマーク指標及び水準を見直した2021年度実績以降、約4割の事業者がベンチマーク水準を達成し続けており、2024年度実績では、達成事業者5者のうち4者が再エネ使用率20%未満であった。これは指標における再エネ使用率の適切な設定が難しいことを表していると考えられる。
よって、今回の見直しでは、省エネ法改正に伴うエネルギー定義の見直しを反映し、黒液などの非化石燃料をベンチマーク指標算出の対象とすると同時に補正係数「0.8」を乗じることで、複雑な指標の設定を不要とすることとした。
また、排出量取引制度では排出枠の割当において、事業者の品種構成の違いを考慮した補正係数を乗じることとしている。よって今後、省エネ・非化石転換法ベンチマーク制度でも補正係数の要否について検討を行う予定としている。
なお、板紙製造業は、直近の複数年度において達成率が約2割で推移しており、ベンチマーク見直しの必要性は高くないが、洋紙と板紙の両方を製造し、両方のベンチマーク指標達成状況を報告する事業者も多いため、今回同時にベンチマークを見直すこととした。
現在、省エネ・非化石転換法のうち、「エネルギーの使用の合理化」については、原単位改善実績などに応じた事業者のクラス分け評価(S〜C)を行っている。今後は、法のもう一つの目的である非化石転換について、まずは優良な取組を行っている事業者のみを対象として、SクラスやAクラス評価を行うこととした。
なお、定期報告制度では、全ての特定事業者に非化石電気使用割合目標(2030年度)の記載を求めていることを踏まえ、まずは「電気」の非化石転換についてクラス分け評価を行うこととする。
定期報告では、非化石電気使用割合の目標や実績の算出において、自社の屋根設置太陽光やオフサイトPPAについては、補正係数「1.2」を乗じる評価を行っており、クラス分けにおいてもこれが勘案されることとなる。
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