地域新電力を通じた地元の自治体及び事業者への電力供給や基金の活用、災害時における電力供給は、地域経済への貢献や災害時のレジリエンス向上といった便益を地域にもたらし、地域社会の理解を得る上で重要な要素となり得る。
ただし、地域新電力への売電などや災害時電力供給を行うだけでは、安全面、防災面、景観、環境への影響などに係る問題の発生を十分に抑制するとは限らない。また、この類型は必ずしも国や自治体による事業への関与を伴うものではなく、電力購入契約や基金の活用などにおいて自治体が何らかの関与があるとしても、事業実施期間を通じた監督・是正の仕組みが担保されるとは限らない。よって、いずれの観点からも、この類型が「地域との共生」という要件を常に満たすとは言い切れない。
また、地域経済への貢献や災害時のレジリエンス向上といった地域にもたらされる便益を客観的な基準として採用することには課題がある。
以上より、候補類型「地域新電力への供給・自治体や地元事業者への供給・基金の活用」、「災害時における電力供給」という類型は、そのことのみをもって、FIT/FIP制度における支援重点化の対象とはしないと判断された。
事業者が望むならば、温対法の「地域脱炭素化促進事業計画」の認定を受けることにより、FIT/FIP制度における支援重点化の対象となる。
営農型太陽光発電とは、農地のうち、太陽光パネル支柱部について一時転用許可を受け、営農を継続しながら太陽光発電を行う事業であり、この「一時転用」許可件数は、2023年度までに6,137件、その発電設備下部の農地面積は1,362haへと増加が続いている。
これとは別に、営農を廃止し、太陽光発電を行うために農地全体を「恒久的に」転用する許可は累計97,923件・16,293haに上る。農地と太陽光発電の関係において、「営農型」は、全体のごく一部であることに留意する必要がある(参考記事:営農型太陽光発電の「農地一時転用」、農山漁村再エネ法に基づく認定取得を条件化の方針に)。
近年、農業との両立が図られないなどの不適切な事業が増加していることから、農林水産省では「望ましい営農型太陽光発電の考え方」を整理するとともに、農山漁村再エネ法に基づく認定を受けることを一時転用許可の条件とするよう、制度改正を進めている。
先述の通り、農山漁村再エネ法の「設備整備計画」の認定を受けた太陽光発電事業はFIT/FIP制度における支援重点化の対象とする方針が示されているが、「営農型」についてはこれと別枠として、今年度はFIT/FIP制度における取扱いについては結論を見送ることとした。まずは「望ましい営農型太陽光発電」の制度改正の施行を優先し、来年度の再エネ主力電源化小委員会において、その時点の施行後の運用状況も注視しつつ、引き続き検討する予定としている。
現在も何らかの用途に利用している土地、例えば既存の工業団地・商業施設などの敷地については、既に整備された土地であることから新たな土地開発を伴わないと考えられる。一方、既存施設の機能を維持し、その運用に支障を及ぼさない範囲で太陽光発電設備を設置するインフラ空間とは異なり、従前の土地利用が大きく転換されないことは担保されない。
また、過去に利用されていた土地、例えばゴルフ場跡地・スキー場跡地などや、耕作放棄地・荒廃農地は、従前の土地利用が転換され、太陽光発電設備の設置に伴う樹木の伐採、表土の除去、整地、管理用道路の整備又は排水施設の新設・変更などが行われる可能性がある。
また、これらのいずれも統一的な定義やその判断に資する公的証憑などがなく、客観的な基準・証憑による一律の確認が可能な類型とは整理しがたい。
以上より、これらの候補類型については、FIT/FIP制度における支援重点化の対象とはしない方針が示された。先ほどと同様に、工業団地やゴルフ場跡地、荒廃農地などであっても、温対法「地域脱炭素化促進事業計画」認定事業や農山漁村再エネ法「設備整備計画」認定事業であれば、FIT/FIP制度における支援重点化の対象となり得る。
今後、再エネ主力電源化小委員会では制度詳細の具体化を進めるとともに、調達価格など算定委員会において具体的な支援価格・期間などについて検討を行う予定としている。
また、来年2〜3月頃には再エネ特措法に関係する省令などの改正についてパブリックコメントを行い、来年4月に改正省令などを施行する予定としている。
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