運輸分野の省エネを推進 特定荷主向けにも「事業者クラス分け評価制度」を導入へ:第12回「荷主判断基準WG」(1/3 ページ)

省エネルギー小委員会「荷主判断基準ワーキンググループ」の第12回会合で、特定荷主による継続的な省エネの推進に向けた施策として、工場分野などで先行導入されている「事業者クラス分け評価制度」などを導入する案が示された。

» 2026年10月16日 07時00分 公開
[梅田あおば,スマートジャパン]

 省エネ・非化石転換法では、あらゆる規模の工場や事業所、輸送事業者や荷主に対し、省エネ・非化石転換に関する努力義務を課している。一定規模以上のエネルギーを使用する事業者に対しては、中長期計画の作成やエネルギー使用状況などの定期報告を義務付けている。

図1.省エネ・非化石転換法の規制対象分野 出典:荷主判断基準WG

 省エネ・非化石転換法では、貨物輸送の発注など、自らの事業活動に伴う貨物輸送量が年間3,000万トンキロ以上の者を「特定荷主」として指定しており、エネルギー消費原単位を年平均1%以上低減することや、総重量8t以下の貨物自動車のうち非化石エネルギー自動車の導入率を5%とすることなどの数値目標が定められている。

 現在、国内外でサプライチェーン全体での温室効果ガス(GHG)排出量の算定報告・削減が求められており、荷主となる事業者は、原材料や製品の輸送に伴うGHG排出量をScope3排出量の一つとして報告している。

 これらを背景として、資源エネルギー庁の省エネルギー小委員会「荷主判断基準ワーキンググループ(WG)」では、特定荷主による継続的な省エネの取り組みを後押しするため、新たに事業者クラス分け評価制度などを導入する案が示された。

貨物部門のエネルギー消費および特定荷主の現状

 国内の貨物部門の最終エネルギー消費は減少傾向にあり、2024年度の貨物部門最終エネルギー消費1,144PJ(ペタジュール)は、運輸部門全体2,739PJの約42%を占める。輸送機関別に見ると、貨物自動車/トラックが貨物全体の約90%を占めている。なお、貨物自動車による貨物輸送量はコロナ禍以降、上昇傾向にあり、2024年度は2,316億トンキロである。

図2.貨物の輸送機関別最終エネルギー消費 出典:総合エネルギー統計

 年間貨物輸送量3,000万トンキロ以上の「特定荷主」の数は、緩やかに減少しており、2026年度時点で794社である。

図3.業種別特定事業者数の推移 出典:荷主判断基準WG

 省エネ・非化石転換法では特定荷主に対し、エネルギー消費原単位を中長期的にみて年平均1%以上低減する努力を求めている。2010年度以降、特定荷主の原単位改善率の平均値は年1%に達しなかったが、直近の2019〜2023年度の5年度間では、年平均1%以上の省エネを実現したことが報告されている。

 これは、同梱やまとめ送りの促進、輸送日時や受取場所の通知・変更への対応などのほか、いわゆる物流の「2024年問題」を契機とした荷主企業の行動変容、商慣行の見直しなどによる取り組みの進展が理由と考えられている。

図4.特定荷主のエネルギー消費原単位の推移 出典:荷主判断基準WG
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