富士経済は2026年10月14日、日本における地熱発電システム市場に関する調査結果を発表した。2030年代以降に次世代型のシステムがけん引し、2050年度は2025年度比で15.2倍の3524億円に拡大する予測している。
富士経済は2026年10月14日、日本における地熱発電システム市場に関する調査結果を発表した。2030年代以降に次世代型のシステムがけん引し、2050年度は2025年度比で15.2倍の3524億円に拡大する予測している。
日本市場において2025年度は、従来型のシステムでMW規模の地熱発電システムが複数完成している。2025年度はフラッシュ式、バイナリー式での案件が完成した他、更新およびリパワリング案件として東北電力が運営する「松川地熱発電所(15MW)」が運転を開始している。2026年度もフラッシュ式の案件に加えて、小規模なバイナリー発電所が複数運転を開始する予定だ。中長期的にもMW規模のバイナリー式の新設案件が年間数件、10MW超規模のフラッシュ式の新設案件が2〜3年に1件程度のペースで開発が進むとみられ、2040年代以降は運転開始から50年超となる20〜50MW規模の大規模地熱発電所のリプレースも期待される。
次世代型は早くても2030年代後半以降の運転開始が見込まれるが、従来型の課題である開発リスク・コストの高さを解決できる技術として、長期的には地熱発電開発の主流技術として普及が期待される。2040年代には商用ベースの次世代型地熱発電システムが複数完成し、2050年度には次世代型で3047億円の市場規模になると予測した。
次世代型地熱発電の中で、最も事業化が有望視されるのはクローズドループ(CLGS)方式とみられている。日本ではグリーンイノベーション基金の開発支援予算の約6割がこの方式の開発に充てられ、長期的には数MW〜数十MW規模の案件が年数件程度開発されるとみられる。また、蒸気・熱水発生量が減衰した既存地熱発電所への技術応用も期待される。
一方、米国で本命視されている地熱増産システム(EGS)は、日本の複雑な地層構造への応用や誘発地震の懸念から、国内での普及拡大は現状難しい見通しとした。また、超臨界地熱は、超臨界状態の熱水の活用による発電規模の大規模化と発電コストの低下が期待されるが、大深度掘削技術の確立や超臨界状態の高温高圧熱水の回収技術、強酸性に耐える設備・計器等の材料開発など、実用化に向けた技術的ハードルの高さが課題となっている。
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