ボーイング787“ドリームライナー”は空の旅をどう変える?秋本俊二の“飛行機と空と旅”の話(1/6 ページ)

» 2011年02月09日 08時00分 公開
[秋本俊二,Business Media 誠]

シアトルでの製造作業は急ピッチ

 ボーイングが社運をかけて開発を進めてきた次世代機787が待望の初フライトを実施したのは、2009年12月だった。翌2010年からは、過酷な条件下でのさまざまなテスト飛行が繰り返されている。離陸滑走中のエンジン停止や滑走路上での急ブレーキ試験、上空からの急降下や横風着陸試験、氷点下55度の寒冷地でのエンジン始動や落雷試験など──。実用化までには、それら一つひとつを確実にクリアしていかなければならない。開発や製造の進展ぶりを取材するため、私も昨年、何度かに分けて米国ワシントン州・シアトルへ足を運んだ。

飛行機と空と旅 エバレット工場の最終組み立てラインで急ピッチで製造が進むボーイングの次世代機787(画像をクリックすると拡大します)

 工場のラインや外側の駐機エリアには、訪れるたびに製造中の787の機体が増えている。今年後半から始まるエアライン各社への納入に向けて、作業は急ピッチで進んでいるようだ。787は、その機体が初披露(ロールアウト)された2007年7月時点で、すでに世界中のエアライン47社から677機を受注していた。2010年11月時点でのオーダー数は56社から計847機に膨れ上がり、ボーイング関係者も「工場から1号機が出荷される前にこれだけの注文をうけたのは、787が初めてです」と驚きを隠さない。

 “ドリームライナー”の愛称で呼ばれる次世代機787とは、はたしてどんな機種なのか?

飛行機と空と旅 ANAカラーに塗装された787。1号機納入は2011年の第3四半期(7〜9月)に予定されている(画像をクリックすると拡大します)
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