間違いなく“ポルシェの走り”を楽しめる「カイエンS ハイブリッド」岡崎宏司のクルマ DE トリップ(2/2 ページ)

» 2011年11月09日 08時00分 公開
[岡崎宏司,LUXURY TV]
LUXURY TV
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 だいたいは、スタートしてすぐにエンジンが掛かりますが、滑らかな走りを阻害するようなショックなど出ません。ちなみに、スイッチによって「Eモード」を選ぶと、2キロまでモーターだけの走行もできます。深夜、家に帰るときなどは役に立つはずです。

クルマ DE トリップ 前席周りの雰囲気、仕立てを見ただけでも、プレミアムなクルマであることは一目瞭然です

 走行中はほとんどエンジンが主役を務めますが、モーターのアシストが加わっての加速の瞬発感は強力そのものです。加速を終えたところでアクセルを戻すと、エンジンは停止すると同時にクラッチが切られ、惰力走行になります。しかも、惰力走行は時速160キロ近い速度まで可能なので、このシステムが燃費軽減にかなり役立つことは間違いなさそうです。

 エンジンの始動と停止、クラッチの断接、8速ATの変速など、多くの作業をひんぱんに繰り返しているわけですが、それをまったく感じさせない滑らかな走りには、ただただ感心するばかりです。

クルマ DE トリップ センターコンソールのデザインはカイエンの大きな特徴であり、ユーザーに自信とパワーを与えるはずです

 燃費ですが、ちょっとていねいに走ることを心掛けさえすれば、リッター8〜9キロを引き出すのは難しくありません。「ちょっとていねいに」とは、エコラン的走りではなく、基本的に一般的な流れに乗って走り、無駄な加減速はできるだけしない……といった程度のことで、必要なときはアクセルをちゅうちょなく踏んでいいのです。

 「hybrid」のバッジはごく控えめなものです。今という時代に、大型のぜいたくなSUVに乗るのに、心理的プレッシャーを感じる人も少なくないと思いますが、小さなバッジと、上述したリッター8〜9キロという実用燃費は、そのプレッシャーをかなり和らげてくれるはずです。

クルマ DE トリップ フロントフェンダーの左右につけられた「hybrid」のバッジは、注意しないと見落としてしまうくらい控えめなものです

 そして、「ここは踏む!」と決めたときは、間違いなく「ポルシェの走り」を存分に楽しませてくれるのです。(文&撮影:岡崎宏司)

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