ところが、ECOモードにした途端リーフは激変します。さっきまでの運転の楽しさはどこへ行ってしまったのでしょう? 加速は普通の軽自動車並かそれ以下となり、とにかくクルマが重い。ここまで制御しないとECOにはならないのかもしれませんが、やり過ぎ感が……。
試しに、アクセルの踏み具合を一定に保った状態で、ECOモードを解除してみました。すると、おしりを沈ませなからすごい勢いで加速を始めます。これは、これで面白いのですが、「この中間はないの?」と思ってしまいます。ECO、ノーマル、パワーの3モードを用意してほしいところです。
すでにご存じの読者も多いと思いますが、やはり問題は充電インフラの整備だということを身をもって体感しました。
東京23区内や神奈川県などはインフラが充実しています。特に神奈川県では、県をあげて電気自動車のインフラ整備を行っており、非常に充実しているのです。例えば、箱根の山の中にも急速充電器があります。
しかし、東京・神奈川を外れると、電気自動車には過酷な環境が待っています。カーナビゲーションシステムと連動して最寄の充電施設が列挙されますが、それでも急速充電器を設置している場所が見つからない。
やっと探し当てた充電施設は通常充電。通常充電では、200ボルトの電源でもフル充電まで8時間かかります。お出かけ先の充電としては使い物になりません。
今回のドライブは、1都3県でももっとも充電スポットが少ないといわれる千葉県に出かけましたが、とにかく苦労しました。急速充電の30分間は思ったほど長い時間ではなかったように感じましたが、大体急速充電器は1台しかないので、充電待ちが発生するのも厳しい。
加えて、急速充電器が設置されているのは、ほとんどが日産や三菱のディーラーです。しかも、どこも営業時間が19時前後まで。現状では夜間の運転もかなり厳しそうです。
今回は、レンタカーを借りてのドライブでしたが、ありがたいことにクルマを借りた際は満充電状態でした。その状態でメーターに表示されていた航続可能距離は170キロ程度。
およそ90キロ走行して立ち寄った日産ディーラーに到着した時点では、エアコンの使用などもあって残り50キロ程度になっていました。そこで急速充電(30分間、500円)をして、電池容量を80%まで回復させましたが、表示された航続距離は130キロ程度でした。
今後、バッテリーやモーターの技術進歩により航続距離が伸びることを期待しますが、せめて東京から名古屋まで無充電で走れる350キロ程度の航続距離はほしいところです。
今回のドライブで、初めて電気自動車を体験したわけですが、想像どおりまだまだ課題が多く残っていました。しかし、電気自動車の可能性も同時に感じることができました。正直、エンジン音や排気音がしないクルマなんてもの足らなくて乗りたくない! と、思っていましたが、予想に反して運転は楽しかった。ECOモードは……ですが(苦笑)
グレード | リーフ X |
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価格 | 376万4250円(2012年3月現在) |
サイズ | 4445×1770×1545ミリ(全長×全幅×全高) |
交流電力量消費率 | 124ワット時/キロ(JC08モード) |
充電走行距離 | 200キロ(JC08モード) |
最高出力 | 80キロワット(109馬力) |
最大トルク | 280ニュートンメートル |
運転が楽しいとか調子のいいことも結構書いてるけど、「おまえは買うのかよ?」と聞かれたら、現時点では「NO!」です。なんせ、ドライブ好きな筆者にとっては航続距離が短すぎる。充電しながらでもいいので1日1000キロ走れるようになるまでは買いません。だって1日1000キロ以上走ることが、年に数回ありますから。でも、電気自動車の可能性は本当に感じてます。本当です。
※この記事は、誠ブログ「いまさらですがリーフ(LEAF)ってどうよ?」を転載しています。
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