パイロットの命を救う「航空計器」としての腕時計LONGINES HERITAGE COLLECTION(2/2 ページ)

» 2013年07月22日 08時00分 公開
[篠田哲生,Business Media 誠]
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時代ごとに進化するパイロットウオッチ

 ロンジンのパイロットウオッチの原点は、ウィームス海軍大佐が1928年と共同開発した「ウィームス セコンドセッティング ウォッチ」。そしてこの時計の存在を知ったチャールズ・リンドバーグは、ウィームス海軍大佐に個人教授を受けて航空航法を学び、よりハイレベルな航空時計として「アワー アングル ウオッチ」を1931年に完成させている(参考記事)

 パイロットのために視認性を高める工夫を凝らしたのは、1930年代に米陸軍航空隊の依頼を受けて開発された通称「Type A-7」というモデルである。右方向に50度傾いているダイヤルは、時計を左手首の内側に着けた際にパイロットから正面に時計が見えるように計算されたものだ。大型ケースとブラックのダイヤル、そして大きなアラビア数字のインデックスによって、視認性を高めている。

 1950年代に入ると、テクノロジーの進化によって飛行機が大型化し、連続飛行距離が伸びるようになる。昼夜を超えて飛行できるようになったことから考案されたのが24時間で時針が1周するスペシャルウオッチ。これなら昼夜が逆転している状況でも正確に時間を知ることができる。スイス航空のパイロットのために1953年から1956年にかけて70本のみ製造されたという特別なモデルも「ヘリテージコレクション」として復刻されている。

 航空産業やパイロットは、常に時代の最先端を行く花形だった。そして彼らを支えたロンジンのパイロットウオッチも、時計業界の最先端を進む存在だった。当時のデザインや機構は、今でも冒険心を刺激する魅力に溢れている。時代を切り開いてきた“本物”だけが持つオーラは、時代を超えても力を失わないのだ。

LONGINESLONGINES (左)「ロンジン アビゲーション ウオッチ Type A-7」/航空学を示す「アビエーション」と航海術を意味する「ナビゲーション」を融合させた造語「アビゲーション」を名乗るスペシャルウオッチ。傾けたダイヤルで特別な個性を演出している。自動巻き、ステンレススチールケース、ケース径49ミリ。51万4500円(右)「ロンジン トゥエンティーフォー アワーズ」/時針が24時間で1周させることで昼夜の判断を可能にした。さらに分針や秒針の視認性を高めるために、針の長さやインデックス位置にもこだわっている。自動巻き、ステンレススチールケース、ケース径47.5ミリ。34万6500円

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