――食事を出すときに、食器をポンとテーブルに置くのではなく、日本にはさりげない余韻をもたせる「手添え」という独特の文化・振る舞いがあるとニューヨーク線に乗務していた客室乗務員の一人が話していました。そういうことを率先して取り入れていこうと、客室乗務員同士でも活発に話し合っているようですね。
田中: それも、シェフとわれわれ企画スタッフやケータリング会社の調理師、そして客室乗務員までが同じ思いを共有できているからではないでしょうか。そんな日本らしい“和”の振る舞いに、外国からの帰りの便に搭乗されたお客さまは、とてもホッとされると聞きます。
――シェフとのコラボというと、航空会社によっては外国人シェフを使っているところも多いですよね。そんななかで、JALが日本人シェフにこだわった理由は?
田中: 私どもは日本で生まれ日本で育てていただいた航空会社なので、洋食であっても和の技術を取り入れ、日本の良さをアピールしたいと考えてきました。例えば「隠し包丁」といって、上からみたら普通の肉の塊でも裏側には巧みに包丁を入れてあって、箸でも簡単に切れて食べやすくしている。そういう細かな和のテクニックや発想は、日本人シェフならではでしょう。絶妙な味付けなどの面でも、日本人シェフにこだわった成果は出ていると思います。
――素材にも和のこだわりはありますか?
田中: 肉などはファーストクラスでもビジネスクラスでもすべて和牛を使っていますし、チーズも日本産のものをご提供しています。日本酒の取り揃えには特に自信を持っていますが、最近は和食をオーダーされてもお酒はワインを選ぶというお客さまが増えているので、和食に相性がぴったりの甲州産ワインをリストに加えました。
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