JALの最新ビジネスクラス「SKY SUITE 777」を創った男たち――第3回「空の上のレストラン」秋本俊二の“飛行機と空と旅”の話(1/6 ページ)

» 2014年09月05日 08時00分 公開
[秋本俊二,Business Media 誠]

 JALは2013年1月から、国際線の機内で新しい“食”のブランド「BEDD」を展開している。4人の著名な日本人シェフとJALの開発チームとのコラボにより実現したものだ。ドリームチームが手がけるその美食を、私も成田からニューヨークへ向かう機内で堪能した。ボーイング777-300ERに搭載された最新ビジネスクラス「JAL SKY SUITE 777」を、フライトレポートと企画に携わった裏方たちのインタビューでお届けする4回シリーズ──第3回テーマは「空の上のレストラン」。

和食をオーダーすると、メイン料理の前に出てくる「九つの小鉢膳」(撮影:倉谷清文)

4人の著名シェフによるドリームチーム

まずは冷えたシャンパンで歓迎を受ける(撮影:倉谷清文)

 ニューヨーク行きのJAL006便は定刻の午前11時10分に成田空港第2ターミナルの63番スポットを離れた。JALの最新ビジネスクラス「SKY SUITE 777」での、約13時間に及ぶ“空の旅”の始まりだ。離陸して巡航高度に達し、安定飛行に移ると、まずはシャンパンでの歓迎を受ける。担当のCAからは一人ひとりに食事のメニューが配られた。「BEDD」の4文字が、そのメニューの表紙に記されている。

 JALが欧米などの国際路線で展開する機内食ブランド「BEDD」は、著名シェフたちのたくみな技と心が詰まった料理を機上でゆっくり味わってもらおうと考案されたものである。美食を堪能したあとは、シートをフルフラットにして快適な眠りに。そんな上級クラスならではの贅沢なシーンを連想させるこのネーミングには、BED(ベッド)にもう一つ「D」の文字を重ね、Dine(食べる)やDelicious(美味しい)、Dream(夢見心地)といった意味が込められている。

 実際のメニューを担当するドリームチームには、世界的名声を得る「日本料理 龍吟」の山本征治さん、ミシュラン2つ星のフランス料理店「エディション・コウジ・シモムラ」の下村浩司さん、創作料理で高い評価を得ている「麻布十番 山田チカラ」の山田チカラさん、そしてパリを拠点に活動している料理プロデューサーの狐野扶実子さんという4人の日本人シェフが名を連ねている。

 和食と洋食の両方を撮影したいので、私と同行の写真家・倉谷清文氏はそれぞれ別のメニューをオーダーした。どちらも前菜からメイン料理、デザートまでがコースで運ばれてくる。ワインや日本酒など、アルコール類の品揃えも豊富だ。また、到着前に出される2度目の食事では、好きなときに好きなものを頼める「Anytime You Wish」のサービスもスタート。「大阪・たこ八」のお好み焼きや小山薫堂氏プロデュースの「東京香味カレー」など10種類以上のアラカルトメニューが用意され、各シートに備え付けのタッチパネル式コントローラーを使って手軽に注文できる。

 機内食づくりは一貫して「自前主義」を通してきたJALが、新ブランド「BEDD」で初めて外部のシェフと手を結んだ。そこには、どんな狙いがあったのか? 外国人シェフを起用するエアラインも多い中で、日本人シェフにこだわる理由は? 新しいメニューが完成するまでのプロセスは? フライトを終えた数日後、私はニューヨーク線の機内で体験した食事のシーンを思い出しながら、ブランド立ち上げをリードしてきた顧客マーケティング本部・商品サービス開発部の田中誠二氏にインタビューを試みた。

メニューの表紙に記された「BEDD」の文字(撮影:倉谷清文)
2度目の食事は手もとのコントローラーで好きなときに注文可能だ(撮影:倉谷清文)
       1|2|3|4|5|6 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.