広域航空網の要として、多くの人が乗り換えに訪れるハブ空港。ハブ空港は大都市にあることが多いが、単に多くの路線が集まっているだけでは、厳密には「ハブ空港」とは言えない。
ハブ拠点としての機能を発揮している空港には、各地からの便がほぼ同じ時間帯に到着し、さらにその1時間か1時間半後には再びそこから各地へ向かう便が飛び立っていく――そんな仕組みができあがっている。乗客はその短い間に、自分の目的地への便に苦もなく乗り換えることができるわけだ。では、ハブ空港で乗り継ぐ場合に、通常どれくらい時間的な余裕を見ておけばいいのだろうか?
世界各国のハブ空港を「乗り継ぎの便利さ」で比較する場合に、重要な指標となるのが「MCT(Minimum Connecting Time、ミニマムコネクションタイム)」だ。MCTは乗り継ぎに必要な“最低時間”を示すものであり、オーストリアのウィーン国際空港は世界で最も短い。最短で25分という“神ワザ”的な乗り継ぎを可能にしている。
空港ごとに定められているMCTは「これだけ乗り継ぎ時間があれば問題ない」と判断する基準であり、仮に飛行機が遅れて接続便に間に合わなかった場合には、エアラインが責任を持ってくれる。言い換えると、乗り継ぎ時間がMCTに満たないときは、航空券の予約・発券はしてもらえない。
欧州には、デンマークのコペンハーゲンやフィンランドのヘルシンキ、ドイツのミュンヘン、オランダのアムステルダムなど乗り継ぎの便利なハブ空港は少なくないが、その中でもウィーン国際空港のMCT「25分」は突出している。日本からはここ数年、人気が高まっている東欧諸国を旅する場合の玄関口として利用される機会が急増した。
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