炭水化物の摂取量を極端に減らす「糖質制限ダイエット」は、短期的には減量や血糖コントロールの改善につながるとして、減量や生活習慣病の食事療法の1つとして広まっています。しかし、日本においての長期的な効果や安全性については、まだあきらかになっていません。
まず、糖質とは何か、炭水化物とは何か、を整理してみましょう。
炭水化物は糖質と食物繊維の総称で、食物繊維はほぼ消化されず、便から排泄されますが、糖質は消化吸収されてエネルギー源となります。
しかし、糖質と炭水化物を同義語として使用することも少なくありません。そのため、糖質制限ダイエットは「低糖質ダイエット」や「低炭水化物ダイエット」など、いろいろな呼び方をされることがあります。
糖質は血糖値を上げ、その結果血糖値を下げるホルモンのであるインスリンが分泌されます。このインスリンは脂肪の合成を促進し、脂肪の分解を抑制するホルモンでもあります。
一方で、糖質は脳など体の大切な部位でエネルギー源として利用される重要な栄養素です。とくに、脳では飢餓状態にない限りブドウ糖を主に消費していますので、糖質の摂取状況は脳の働きに影響するともいわれています。
現在、私たち日本人は、1日に平均約1900キロカロリー摂取しています。このエネルギーとなりえる栄養素は炭水化物とたんぱく質、脂質ですが、そのうち炭水化物(糖質)の占める割合は約60%です。つまり半分以上(1140キロカロリー)を炭水化物(糖質)からエネルギー(キロカロリー)をとっているのです(参考リンク:厚生労働省 平成25年国民健康・栄養調査結果の概要)。
糖質制限ダイエットとは、ごはんなどの糖質を制限することにより「単純にエネルギーが少なくなっている場合」と「糖質の代わりにエネルギー源となるおかずを増やし、たんぱく質や脂質の量を増やしたダイエット」に分けられます。
まず、日本人の平均である炭水化物(糖質)が60%の食事とはどんなものでしょうか。1食約600キロカロリーで計算した場合、
といったものになります。
糖質の多いごはんを抜くと、単純にエネルギーが少なくなるのが分かります。
次に同じエネルギー量で炭水化物の量を50%にするとどうなるでしょうか。
となり、ごはんの量を少なくし、炒めものに肉が加わります。
さらに、炭水化物の量を40%に減らすと、
となり、ごはんの量を減らした分、豆腐が追加されます。
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