『シャーロック・ホームズ シャドウゲーム』の見どころは、デレデレ ホームズとツンデレ ワトソン?:あの映画ざっくりレビュー
3月10日公開の『シャーロック・ホームズ シャドウゲーム』。探偵ものでありながら、謎解きミステリーは二の次で、おじさんアイドルムービーなの、か?
『シャーロック・ホームズ シャドウゲーム』はざっくりいうと、腹ぽよなおじさんアイドルのホームズが欧州にまたがる陰謀を阻止するついでに親友のワトソンくんの結婚式の邪魔したり、新婚旅行の邪魔したりする話。
これまでのイメージを一新した、ロバート・ダウニー Jr.主演の『シャーロック・ホームズ』第2弾。探偵ものでありながら、謎解きミステリーは二の次で、頭脳明晰な奇人でおっさん体型のホームズを愛でる映画。そんなジャンルが成立するかどうか疑問だが、ロバート・ダウニー Jr.というおじさんのアイドルムービーなのである。
それを証拠にこのホームズ、変装という名のコスプレシーン満載。果ては女装したホームズにワトソンくんがつかみかかるというお約束シーンまであって「おいおい、どこに向かってサービスしてんだよ?」と突っ込まずにはいられない。
第2弾にして早くも登場の宿敵モリアーティ教授の嫌みったらしいインテリ具合と、ホームズのすっとぼけ具合が、うまい具合に絡み合って2人の対決も見どころには違いないが、何といっても、相棒ワトソン医師との限度を超えた(?)友情が見所。従来のシャーロック・ホームズと違い、ワトソンくんもかなりの肉体派なので、おっさん2人が身体張ってがんばるアクションシーンは、21世紀解釈のシャーロック・ホームズ? ミステリとしては……ですが、バディムービーとしては面白いです。
あらすじ
1891年、欧州の各地で謎の事件が頻発する。ホームズは独自の分析で一見関連性のなさそうな事件の裏に高名な数学者にして天才的犯罪者、モリアーティー教授の存在を感じ取る。モリアーティ教授はドイツとフランスを戦争させようとしているのだ。
相棒のワトソンはホームズの邪魔にもめげず、婚約者のメアリーと無事結婚。その新婚旅行に向かう列車の中で、モリアーティの一味に狙われる。ホームズの機転で間一髪のところを免れるワトソン。妻をホームズの兄、マイクロフトの屋敷にあずけ、2人は捜査を開始。事件の鍵を握るジプシー女シムの協力を得て欧州全土を巻き込む陰謀を阻止するために、各地をかけまわる。
櫻井輪子(さくらい・わこ)
映画好きが高じて、コラムを書いたりもするイラストレーター。『WOWOWマガジン』『問題小説』『てぃんくる』などでイラストコラムを執筆。『Tokai Walker』の金子裕子さんのコラム「セレブ診療所」にコマ漫画を付けている。過去には『DVD&ビデオでーた』でビデオレビューのイラストコラム、『DVDでーた』で記者会見をレポするコラム『現場から櫻井輪子でした』を連載。
著書に『「へのへのもへじ」から始める 世界一カンタン! イラスト練習帳』がある。公式サイト「SakuraiWako'sめカラうりぼう」。
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