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「狙撃」×「上場」×「危険な音楽」International Feel

» 2004年04月28日 20時36分 公開
[松尾公也,ITmedia]

銃とTシャツと無線

 使うのは、デューク東郷か、レオンか、内村光良か。「スナイパーがRFIDタグを発射?」によれば、「数分の1秒、蚊に刺されたような感触がある程度」の痛みしか感じさせずに「高性能狙撃用ライフルを遠距離の注射器として使い、GPSマイクロチップを人体に埋め込む」ことが可能だという。すると、こんなふうにトラッキングできてしまうのだ。こんなのが実用化されてしまったらビッグブラザーの思うつぼ。ジェネティックの首筋に刷り込まれたバーコードなんて、ぬるすぎる。

 しかし、この技術を開発しているEmpire Northという会社は本気なんだろうか? RFIDライフルのTシャツまで売り出しているし。

 一方、新聞報道された「ペットへのチップ埋め込み標準化」のほうは、まだ話が理解しやすいが、こちらにはGPSトラッキング機能はついていないもよう。スティーブ・ウォズニアックのwOzのほうが。明らかに向いているのに。

 このように、本人たちが望んでいない「埋め込み」と違い、埋め込みデバイスにおける、明らかな進歩といえるのが、「思考でコンピュータ操作」を目指す脳埋め込みチップだ。成功すれば、脳性まひなどの患者が外界とつながるための手段の一つとなるだろう。こちらは埋め込まれた人が、コントロールされる側ではなく、コントロールする側に回るのだ。

魔法人グーグル

 「Google、今週中にもIPOを発表か」と書かれて、大富豪(予定)の素顔を探る「学者の家系から「脱線」したGoogle創設者」という記事も出てきた。いよいよ今世紀最大規模(大げさ?)のIPOがやってきそうだ。とりあえず、セルリアンタワーの人たち、おめでとうございます。

 しかし、日本に限らず出る杭は打たれるもの。Googleの事業はいろいろなところと摩擦を起こしつつある。まずは、Gmail。エイプリルフールに合わせるように発表された、容量1Gバイトのウェブメールシステムだが、まずは、厳しいプライバシー保護法を持つ欧州、続いて米国、そして各国当局に調査要請と「包囲網」は広がりつつある。

 プライバシー保護では遅れている日本では問題にすらなっていないようで、来日したGoogle副社長が、「Gmailの日本展開予定に変更なし」と発言している。

 Gmailだけではない。大きな問題となっているのが、「商標問題での風当たり」である。AdWords広告で、ライバル企業の広告が表示されるのに腹を立てたフランスの保険会社、AXAがGoogleを訴えた。Googleが商標を広告対象に含むようポリシー変更を行ったためだが、この手の訴訟は、Googleにとって3件目である。グーグルのフィルタリング技術に「勇み足」の苦情という記事では、Googleが採用した外部のキーワードフィルタリング技術が、「厳しすぎる」というもの。まあ、キーワードベースのフィルターには、かならず漏れがあるもの。スパムフィルターが完全ではないようにね。だから、Gmailのスパムフィルターは、その実力を見てみたい気がする。プライバシー問題は置いといて。

CloseBox

 一昨日の会社帰り。いつものように車道を自転車で走っていたら、急におばあさんが飛び出してきた。もちろん、横断歩道ではない。ここは信濃町。都内でも有数の、交通マナーの悪いところ(自転車の車道逆走、横断歩道のない車道横断)なので、気をつけてはいたのだが、一瞬判断が遅れ、避けようとして転倒してしまった。

 幸い、おばあさんには怪我はなく、自分はヒジを擦りむいたくらい。紛失したバックミラー=2000円、拾った命=プライスレス、である。

 ただ、自分がぜんぜん悪くないか、というと、反省すべきところはある。走っているときのBGMがいかんかった。

 このところ、iTunesで、「タッタカタッタカ集」というプレイリスト編纂にいそしんでいたのである。これがまずかった。ディストーションギターの6弦を↓ ↓↑↓ ↓↑↓ ↓↑↓ ↓↑というかんじで若干ミュート気味に弾くパターンのバイエーションをリストにしていたのだ。

 有名なところでは、ブライアン・メイの三味線ギターが冴える“ブライトン・ロック”、クイーンのデビューアルバムしょっぱなの“キープ・ヨアセルフ・アライブ”、ゼップの“アキレス最後の戦い”、パープルならば、“ハード・ラヴィン・マン”あたりがそうだ。当然、60BPMをはるかに超えるビート・パー・ミニットなのである。この記事によれば、「アップビートのときには赤信号を無視する傾向が増え、事故率は2倍になる」とあるが、「交通法規を無視した動きに気づくのにも遅れる」という一文を加えたい。

 自転車に乗っているときは、周囲の音を遮断するヘッドフォンはもってのほかだし、iPodをつけてサイクリングなんてのは危なくてやってられないのだが、脳内ミュージックは見落としていた。脳内ソフトウェアデコードにはCPU負荷がかかるので、かえってまずいのかもしれない。

 おお。そうこうしているうちに、iTunesが4.5になってる。Music Storeとの連携がシームレスになり、パーティーシャッフル(これをDJと言い切っていいものかどうか)が付き、新しいフォーマットのロスレス圧縮がサポートされた。ファイルサイズ半分で、可逆圧縮の音、というわけだ。もうちっと使ってみないとわからないなあ。

 ところで、Music Storeにアクセスして、iTunesで指定した曲を再生する機能なんてのがいつのまに付いていたののね。これは便利かも。たとえば、上で紹介したクイーンのブライトン・ロック”をiTunesで再生なんてふうに使えるのだ。

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