コラム
» 2005年06月27日 12時33分 UPDATE

小寺信良:HDMIで揺れるハイビジョンテレビの難題 (1/4)

昨年夏のアテネオリンピックに合わせて、D端子しかない大画面テレビを無理して買った人も多いことだろう。しかし、最近世間をにぎわせている次世代DVDでは、市販コンテンツがHDMIでしかHD再生できないのでは? という懸念が広がっている。

[小寺信良,ITmedia]

 筆者は映像機器のレビューなどを生業としている関係上、どうしても近日中に画質評価用に使える「イマドキのテレビ」を1台手に入れる必要性が出てきた。

 つい昨年までは、レコーダーやビデオカメラなどの映像機器は、SD録画が普通であった。たまにHD機材があっても、筆者の仕事場にあるブラウン管式の放送用モニタは1080iまで対応しているので、D端子をコンポーネント端子に変換すれば、相手が民生機でもOKだ。

 筆者が放送用モニタで映像評価していたのは、一般のテレビというのは追従性が高すぎて使いにくいからだ。何か絵が暗いとか、明るいとか、おかしなところがあっても、テレビのほうが勝手に追いついて、問題なく表示してしまうからである。

 もう1つサブで使っていたのが、EIZOの「GAWIN M-10」という液晶モニタである。結構古いものだが、映像入力4系統のうちD端子が2系統あり、しかも当時にしては珍しくD4(720P)まで対応している。どんなソースがくるか分からない仕事では、とりあえず機材の出力からどんな解像度で出ているのか確認できるので、重宝した。ただこのモニタは、コントラストの浅い映像に対しての階調表現がヘタなので、画質評価にはまったく向かない。

 そんなことから、出力確認はGAWINで、画質評価は放送用モニタでと使い分けてきたのだが、ここに来てそれでは対応できない事態が出てきた。デジタルで映像と音声の伝送が可能な、HDMIである。徐々にレコーダーではHDMI搭載機が増えており、ご存じの方も多いだろう。

 もともとデジタルで記録するデバイスからの信号を、DA変換せずにテレビまで伝送できるわけだから、画質の面でも期待できるわけだが、筆者が直面している問題はそこではない。ソニーの「RDZ-D5」や松下電器産業「DMR-EX300」といったハイエンドのレコーダーでは、市販DVDなどを1080iにアップコンバートして出力する機能を備えている。ところがこの機能は、HDMIでなければ出力できないのである。例によって著作権がらみの縛りだ。

photo ソニーの「RDZ-D5」と松下電器産業の「DMR-EX300」

 まあ実際には、HDMI云々というよりも、テレビがHDCP(デジタルコンテンツの不正コピー防止を目的とする著作権保護用システム)に対応しているかどうかが問題なのである。同じくデジタル伝送であるDVI端子を装備したプロジェクターなどでも、HDCP対応のものがある。これらはHDMI-DVIの変換ケーブルを使えば、使用することは可能だ。

 だが現在、米国で主流となりつつあるHDMIのほうが、今後日本でもD端子を徐々に凌駕して、主要規格になっていくだろう。とくに上記のような、「HDMI端子からのみ出力されます」とカタログなど明記されたソリューションが登場してきた以上、「要するにHDMIって端子がないと困るんだねこれからは」という話のほうが、全然わかりやすいからである。

選択肢が少ないHDMI端子付きテレビ

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