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Googleがレイオフ――ただし対象は非正規社員

» 2008年11月25日 14時01分 公開
[Clint Boulton,eWEEK]
eWEEK

 米Googleが何千人もの従業員のレイオフを進めている――?

 恐らくそのようだ。ただし、その方法は「マクロ経済状況の悪化に伴い、当社は従業員数をXパーセント削減する」といった従来のレイオフとは様相を異にしている。

 そもそもこうした疑問が沸き起こったのは、WebGuildのダーヤ・バラン代表が11月24日、ブログ投稿で、「Googleが最大1万人の従業員を削減するかもしれない」と指摘したのが発端だ。

 同日Googleの広報担当者に問い合わせてみたところでは、バラン氏の情報は恐らくGoogleが以前に発表した「1万人の非正規社員を大幅に削減する」という計画から来ているようだ。

 Googleは10月16日、第3四半期決算発表の席でこの計画に言及し、広報(PR)担当スタッフやカフェテリアの従業員、バス運転手など、非正規の契約社員を大幅に削減する方針を明らかにしている。

 この区分に分類される従業員は約1万人であり、バラン氏がレイオフのシナリオにおいて指摘しているのと同じ人数であるというのは注目すべき点だ。

 ではなぜGoogleはこれまでのところ、このレイオフについて正式な発表を行っていないのだろう? こうしたスタッフは非正規の契約社員であり、フルタイムで勤務はしていても福利厚生の対象ではないため、Googleはこの件について大々的に発表する必要がないのだ。

 Googleの広報担当者はわたしの問い合わせに対し、非正規社員の削減は進められていると語っている。恐らく、そうした非正規社員の一部がバラン氏に「Googleもタイタニック号のように沈みかけている」といった話をしているのだろう。バラン氏はさらにブログで次のような推測を語っている。

 ではGoogleは関連資料を米証券取引委員会(SEC)に提出する義務をどのように回避しているのだろう? Googleでは何百人もの弁護士が法的な問題への対処方法の検討に当たっている。そうした手法の1つに、従業員を数カ月ごとに異動させることでステータスを非正規のままにするといったものがある。Googleでは同じ人物に二度と連絡を取れなかったり、業務の担当者が頻繁に変わるため外部の人間の方がよほど詳しい情報を持っていたりといったことが少なくないのは、そうした事情からだろう。

 Googleが資料提出義務を回避するために何百人もの弁護士を雇っているというのは、とっぴな話にも思える。Googleの悪しき慣習についてさまざまなことが憶測されているのはわたしも知っている。だがそうした推測は通常、Googleがユーザーのプライバシーをいかにないがしろにし、われわれユーザーに関してデジタルブックでも作成できるほど豊富なデータを集めているといったことに関するものだ。

 レイオフの事実を隠匿するためのずる賢い策と比べれば、まだこうした憶測の方がもっともらしく聞こえる。それにバラン氏は上記のコメントで、Googleの社員との連絡の取りづらさを指摘しているが、これは第1級の負け惜しみのようにも聞こえる。わたしはGoogleの社員と毎日のように連絡を取っているが、それほどの苦労はない。Google社員からわたしに連絡が取れなかった場合は、こちらから別の方法で伝えるまでだ。

 わたしもジョン・バテル氏(「ザ・サーチ グーグルが世界を変えた」の著者)のブログに倣い、事情に詳しい向きにはGoogle Watchにご一報いただくか、あるいはeWEEK編集部のわたしのメールアドレスあてに情報を送っていただくようお願いする。

 そして、実際にレイオフされたという人たちについては、eWEEK編集部のジョン・ハザードがもっともな指摘をしており、わたしも彼に同感だ。

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