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» 2006年11月15日 23時59分 UPDATE

the Microsoft Conference 2006:「Windows Vista」「2007 Office System」で変化する仕事環境

Windows Vistaや2007 Office Systemなどのマイクロソフトの新製品は、仕事環境をどう変えるのか。WindowsとWindows Liveのエンジニアリングを担当するスティーブン・シノフスキー上級副社長が説明した。

[吉田有子,ITmedia]
yy_ms01.jpg 米MicrosoftでWindowsとWindows Liveのエンジニアリングを担当するスティーブン・シノフスキー上級副社長

 今年末から来年にかけて、「Windows Vista」や「2007 Office System」などのマイクロソフトの新製品が発売される(11月3日の記事参照)。PCで仕事をする多くの人が使うこれらのツールは、近年、国内のビジネスシーンで課題となっている「共同作業」「コンテンツ保護」「セキュリティ強化」などにフォーカスを当てている。

 11月15日、都内で開催した「the Microsoft Conference 2006」の基調講演で、米MicrosoftでWindowsとWindows Liveのエンジニアリングを担当するスティーブン・シノフスキー上級副社長が登壇。新しい仕事環境のトレンドとして「共同作業の簡略化」「情報検索とビジネス対応力の向上」「コンテンツの保護と管理」「ITコストの削減とセキュリティの強化」の4点を挙げ、それぞれに関する同社の考え方と、製品に反映された変更について語った。


yy_ms05.jpg 新しい仕事環境のトレンドとして「共同作業の簡略化」「情報検索とビジネス対応力の向上」「コンテンツの保護と管理」「ITコストの削減とセキュリティの強化」の4点を挙げた
yy_ms06.jpg 「Windows Vista」と「2007 Office System」のインタフェース刷新を紹介

仕事を便利にするインタフェースの変化

 知らず知らずのうちに行っている繰り返しの作業をなくし、短期間でクオリティを上げられる。溢れかえる機能の中から、新しい機能を自分で発見して使える──。こうしたことを目指したユーザーインタフェースを、マイクロソフトは「結果指向のインタフェース」と呼ぶ。

 例えばVistaでは、タスクバーの上部にファイルのサムネイルを表示して、ウィンドウを前面に持って来ることなくファイルを判別できる。エクスプローラでは、従来の画像に留まらず、Officeファイルの1ページ目もサムネイルとして表示が可能。さらにサムネイルの大きさも自由に変更できる。

 Excel 2007では、数値の大小によってセル内を棒グラフ状に塗り分けたり、数字に合わせてセルの色を自動で変更したりできる。「Excelで表を作るのが目的ではなく、表から何かを読み取るのが目的」という、結果指向のインタフェースは、今回の新製品の数々に反映されている。

yy_ms07.jpg ファイルを前面に持ってこなくてもタスクバー上部に縮小したファイルのサムネイルが表示される
yy_ms08.jpg Vistaの「Windowsフリップ3D」。こちらも多くのウィンドウから目的のものを探せる

yy_ms10.jpg エクスプローラでOfficeファイルの1ページ目をサムネイルとして表示可能。サムネイルの大きさも変更できる

ファイルを共同編集しても、常に最新ファイルを参照――「共同作業の簡略化」

 「今日、PCからPDA、モバイル機器などさまざまなフォームを統合し、さらにそれらを共有していかなくてはいけない」。ネットワークを介しての共同作業が当たり前になった今、OSやOfficeの積極的な対応も求められる点だ。

 グループでファイルを共有・編集する場合、メールにファイルを添付して送る、ファイルをアップロードするWebサービスを利用するなどの方法がある。しかしメンバー全員が、常に最新のファイルを参照できる状態にしておくのは難しい。これらの解決策として、数人単位のサーバ不要の方法から、企業規模で導入できるサーバソフトまで、マイクロソフトは複数の手法を提案している。

 例えば、最大10人まで参加可能なオンラインミーティングアプリケーション「Windowsミーティングスペース」では、ほかの参加者のPCやVistaに対応したプロジェクタに自分のデスクトップやアプリケーションを映し出せるほか、共同でファイルを編集できる。無線LANのアドホックモードでも動作するので、無線LANを内蔵したPCがあれば、プロジェクターがなくてもプレゼンテーションが可能だ。

yy_ms11.jpg Windowsミーティングスペースで共通のファイルを閲覧する

 P2Pでファイルを共有できるアプリケーション「Office Groove 2007」は、インターネットを利用し社外の人ともファイルを共有できる。共有しているファイルに変更があると、自動的にほかの利用者にも伝わる。コンプライアンスの観点からは、管理者を置いて共有するファイルの監査を行うこともできる。

データも人も探せる――「情報検索とビジネス洞察力の向上」

yy_ms12.jpg SharePoint Server上の人物ページ。オンライン状況も分かり、メッセンジャーで話しかけることもできる

 マイクロソフトによると、ビジネスパーソンが検索に費やす時間は年間100時間にも及ぶという。Webでは検索エンジンの進化が著しいが、ビジネスファイルに関する検索技術はまだ一般的ではなく、探したいのは単なる情報ではなく「ある人物」の場合もある。

 「Office SharePoint Server 2007」には、データはもちろん「ある業務に詳しい人物」を探す機能も盛り込んだ。人物のページには、プロフィールのほかに作成した書類が表示される。本人が現在オンラインかどうかも分かり、コミュニケータで直接話しかけることもできる。未知の相手に突然話しかけるのがためらわれる場合には、閲覧者と共通の知り合いを表示するSNS的な機能も備えた。

利便性との両立――コンテンツの管理と保護

yy_ms13.jpg 左のExcelファイルをSharePoint ServerによってHTML化

 情報流出へのリスク管理や、ガバナンスの観点から、セキュリティに対するニーズが非常に高まっている。一方で、セキュリティやコンプライアンスの強化が、生産性とトレードオフの関係にあることも指摘されている。コンテンツをしっかり保護しながらも利便性は保ち、従業員の生産性を落とさないことが、新製品の狙いの1つだ。

 例えば、「Exchange Server 2007」ではあらかじめポリシーを設定したフォルダにファイルを保存すれば、自動的に閲覧/改変/コピーなどの権限が付与される。ファイル内容を外部に公開する際にも、「SharePoint Server 2007」を使えば、HTML化した状態で公開できる。Excelのロジックを出さないことで知的所有権を保護できるというメリットがあるという。

ITコストの削減とセキュリティの強化

 セキュリティ面では、Vistaに付属するHDD暗号化ツール「BitLocker」が大きな特徴の1つとなっている。

 講演では、PC盗難時のデータ抜き取りの具体的な手口を挙げて、Vistaのセキュリティの高さをアピールした。PCを起動し、あらかじめOS側で用意しているアカウント名を使いログインを試みるビルドインアカウント攻撃は、最も初歩的な攻撃法。BitLockerでは、USBメモリをキーとして暗号化しており、キーなしではそもそもOSが起動しない。

 次にHDD自体をPCから抜き出し、ほかのPCに接続して読み取る手口の場合も、暗号化されているため読み取り不能だ。デモでは実際にHDDを別のマシンにつなげて見せ、OSからはフォーマットされていないHDDと見える様子がアピールされた。

 最後の手段として、HDDの物理的な表面を解析する手法も存在する。BitLockerで暗号化したHDD表面は、データ部が一様に見えるようになっており、物理的にも解読が不可能なことを示して見せた。

yy_ms14.jpg 左はBitLockerを使って暗号化したハードディスク、右は暗号化していないHDDの物理表面をツールから読み取ったもの。右はデータ書き込みによって凹凸があるが、左は平坦になっている

 「the Microsoft Conference 2006」は11月15日、16日に東京国際フォーラムで開催されるほか、2007年1月までに全国10都市で行われる。

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