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» 2007年03月30日 15時27分 UPDATE

樋口健夫の「笑うアイデア、動かす発想」:新人諸君に告ぐ――まずはノートを買おう

アイデアが出ない――。そんな悩みを抱えているビジネスパーソンは少なくありません。1984年からアイデアをノートに付け始めて以来、現在26万件以上のアイデアノートに綴っているアイデアマラソン研究所の樋口健夫所長がビジネスに役立つアイデア発想法をお届けします。

[樋口健夫,ITmedia]

編集部より

 突然のひらめきがビジネスチャンスにつながることはよくあります。成功した人たちは、素晴らしいアイデアばかりが思い浮かのでしょうか。たいていは違います。ボツになった無数のアイデアの中に、宝石のようなアイデアが埋まっているものなのです。では、そんなアイデアをどのように見つけるのでしょう――。

 1984年からアイデアをノートに付け始めて以来、現在26万件以上のアイデアを300冊以上のノートに綴っているのは、アイデアマラソン研究所の樋口健夫所長。世界各国を飛び回る商社マンだった樋口さんが世界に通用するビジネスパーソン必読のアイデア発想術をお届けします。


会社に初出社する前に、文具店に行こう

 新人として、会社に初出社する前に、文具店に行け。

 私のお薦めは、A5サイズのファイルノート(20穴)。マルマンの「スクリーンカラー(F407、735円)」あたりを購入する。100枚入りのリフィル(L1301H、210円)も合わせて買うといいだろう。これから生涯、自分のノートを使うことが、あなた方の仕事の成功度を倍加するのだ。

 自分のノートを持ち、会社で、何でもかんでも、議事録も、往訪メモも、そこに書け。部長や課長や先輩の指示も、すべてノートを左手の上に拡げて、そこに書き込め。そうすれば、「こいつは、しっかりしている」「こいつに頼むなら間違いがない」こういう第一印象は、20年の賞味期限を保証しよう。

 当初からはなかなかできないだろうが、自分のノートに、業務日誌を毎日付けるだけの手間を掛ける新人は、最低でも将来部長になることを約束されているといっても過言ではない。仕事の広がりとチャンスが他の新人とは比べものにならないほどスケールが大きくなるからだ。

st_no01.jpg マルマンの「スクリーンカラー(F407、735円)」、100枚入りのリフィル(L1301H、210円)

仕事もプライベートも1冊に――カバンはショルダーバッグを選ぼう

 手帳でもいいが、手帳には紙面限界がある。私の提案するノート術は、仕事もプライベートも、住所録も、予定表も、すべて統合させて、それ1冊あれば仕事がすべてできるようにすることだ。

 会社で配られる資料も、きちんと縮小コピーを取って、ノートに貼り付けろ。色鉛筆できれいに優先順位をマークすること。大切なことには、カラーのシールを貼ることも忘れない。

 ノートは、どこでも取り出せるようにする。飲み会の時にもノートとペンはさっと取出して、思い付いたことや、先輩の注意事項などを書き込め。とにかく学ぶことが山ほどあるのだ。ノートを最大限の知識の保管庫にして、それらを必死になって丸暗記することが差になる。

 ノートの徹底的使い方の更に詳しい説明は、私の新著「金のアイデアを生む方法」(成美堂文庫)や「できる人のノート術」(PHP文庫)に任せるが、とにかく自分のノートを持ち続けて、1冊を終えたら、同じノートを次に造り、仕事のキャリアをノートの冊数で表現すればよい。

 ノートの入るカバンの選び方もいつか紹介しよう。まず、ノートをさっと取り出せる横の大きなポケットの付いたカバンが必要だ。絶対になくさないようにするため電車の網棚には、死んでも置かない。電車で寝る場合は、必ず肩から掛けておくこと。そのためには、手提げカバンではなく、ショルダーバッグを購入しよう。

st_no02.jpg 筆者のノート。仕事もプライベートも書き込むことが重要だ

配属後、業務日誌を毎日書くべし

 クライアントの前でも、ノートをどーんと開けて、書いているところを見せながらメモを取る方法は、最高のコミュニケーションを造る。私はこの単純なことに気がついたのが遅かった。38才だった。それから、A5のファイルノートを使い始めて、現在337冊。

 私はかって商社マンだったが、関係の通信会社に出向していた時に毎年やっていたことがある。新人たちが5月に配属されたその日に、営業部長として、新しいA5のファイルノートを配布することだ。ノートの1枚1枚に1日の業務日誌を書かせるためだ。

 配属直後は新鮮だから何かと書くことがあるが、1週間ほど経つと書くことに窮してくる。私は、グループリーダーや課長、次長に新人の面倒をもっと見るように要請した。新人に対しては、客先や会議には、ノートを持参することを徹底的に指導した。業務日誌は当然ながら、新人たちのさまざまな反省や学習の効率を上げた。毎日、新人たちの業務日誌を、次長と部長で読み続けた。彼らはどんどんビジネス文が書けるようになっていったのだ。

 新人たちが3カ月間これを続けたら、もうノートを手放せなくなっていた。そして、1人前の営業部員になっていく。1年後は、約5冊ほどのノートが溜まっていて、それらのノートを次の新人たちに見せるのだ。

 安心したまえ。誰しも新人の時は、ビジネス文は書けなかったのだから。

今回の教訓

すべての道は、ノートに通ず――。


No. ノート術5つ道具 チェック欄
1 A5サイズのファイルノート(20穴) 購入済み/未購入
2 リフィル 購入済み/未購入
3 色鉛筆 購入済み/未購入
4 シール 購入済み/未購入
5 ノートが入るショルダーバッグ 購入済み/未購入

ノートのとり方7カ条
その1:仕事もプライベートも、住所録も、予定表も、すべて統合
その2:資料は縮小コピーして、ノートに貼る
その3:色鉛筆で優先順位をマーク
その4:さらに大切なことには、カラーのシールを貼る
その5:どこでも取り出せるようにする。飲み会でも書き込め
その6:配属後は業務日誌を書く
その7:来年の新人に見せる

著者紹介 樋口健夫(ひぐち・たけお)

1946年京都生まれ。大阪外大英語卒、三井物産入社。ナイジェリア(ヨルバ族名誉酋長に就任)、サウジアラビア、ベトナム駐在を経て、ネパール王国・カトマンドゥ事務所長を務め、2004年8月に三井物産を定年退職。在職中にアイデアマラソン発想法の考案。現在ノート数338冊、発想数26万3000個。現在、アイデアマラソン研究所長、大阪工業大学、筑波大学、電気通信大学、三重大学(いずれも非常勤講師)、企業人材研修、全国小学校にネット利用のアイデアマラソンを提案中。著書に「金のアイデアを生む方法」(成美堂文庫)、「できる人のノート術」(PHP文庫)、「マラソンシステム」(日経BP社)、「稼ぐ人になるアイデアマラソン仕事術」(日科技連出版社)、アイデアマラソンは、英語、タイ語、中国語、ヒンディ語、韓国語にて出版。ものづくり例は、「アイデアマラソン・スターター・キットfor airpen」(ぺんてる、アイデアマラソン研のコラボ、JustMyShopにて発売中)。公式サイトは「http://www.idea-marathon.net/」。


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