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» 2008年02月15日 22時08分 UPDATE

樋口健夫の「笑うアイデア、動かす発想」:歩け、歩け、歩きながら発想を録れ

人間は考える動物であるが、歩く動物でもある。そこで筆者は考えた。「人間は、歩きながら考える動物であってもよいのではないか」――。

[樋口健夫,ITmedia]

 諸君は毎日歩いているだろうか? 「通勤の時にかなり歩かなければならない」だって? それは素晴らしい! あなたは知的時間を持つポテンシャルがあるのだ。

 筆者は「時間ケチ」だから、常に時間を短縮することばかり考えて生きてきた。ただし例外もある。それは歩くことであった。人間は考える動物であるが、歩く動物でもある。そこで筆者は考えた。「人間は、歩きながら考える動物であってもよいのではないか」――。

 ただせっかく考えながら歩いても、思いついた発想を書き留めなければ意味がない。思いつきのままで終わらせないためにも何かに記録する必要があるのだ。とはいえ、歩きながらノートに書き込むのは現実的ではない。歩きながらでは、ノートもペンもうまく持てないし、字も汚くなってしまう。そこで登場するのがICレコーダーなのだ。


st_hi01.jpg コニ・ビオラ製のナスカン

 筆者は10分歩くにも、必ずICレコーダーを左手に持つ。筆者が考えるICレコーダーの“正しい”持ち方は、ICレコーダーにストラップをつけて、手首を通して手で持つ――というもの。ICレコーダーには必ず携帯用のストラップを取り付けて、ストラップの先には特殊なナスカン(※編集部注:登山で利用するカラビナを模したキーホルダーのようなもの。外見がナスに似ているためナスカンと名付けられたという)を取り付けて、ズボンのベルト通しにかけられるようにしている。ナスカンはコニ・ビオラ製がオススメだ。

 こうしておけば、歩いている時も電車に乗っている時も、何か思いついたら目にも止まらぬ早ワザでICレコーダーを取り出せる。素早くホールドを外し、発想が手のひらで溶ける雪の結晶のように、消える前にICレコーダーに録音できる――というわけだ。

 そんなわけで、筆者のICレコーダーを購入する優先順位はまず、携帯ストラップを取り付けるストラップホールが、ICレコーダーの下部にあること。ストラップホールが本体上部のマイク側についていると、ポケットから引き出したときに、マイクが手の中に入ってしまい、すぐに録音対象に向けることが難しい。市販のICレコーダーにも、マイク側にストラップホールが付いているタイプがあるから注意しよう。

 筆者はこれまで12台ほどのICレコーダーを購入し、現在も10台所有している。

st_hi02.jpg
メーカー ICレコーダー
オリンパス LS-10
DS-40
Philips Digital Pocket Memo 9600
サンヨー ICR-B150
DVR-VM45
パナソニック RR-US050
RR-US530
ソニー ICD-R100
ICD-50
ICD-70

st_hi03.jpg メインのオリンパス「LS-10」(右)と予備の「DS-40」(左)

 メインはオリンパス「LS-10」。PCM録音のLS-10は高音質なので、重要な会議や研修で使う。予備は同じくオリンパスの「DS-40」。いずれも瞬時の操作性がいい。

 2台ともそれぞれ5つのフォルダを持っており、2台合計で10個のフォルダに、それぞれ200個の録音ファイルを保存できる。筆者は1つのフォルダにだいたい50個から60個を限度として使う。あまりに多くなりすぎると、録音したアイデアをノートに書き写すのが煩雑になる。

 それぞれのフォルダをカテゴリ分けすることもある。例えば、フォルダAにはITmedia関係の発想を入れたり、フォルダBには出版関係を入れたり、フォルダCにはブログネタを集結させたり――である。ICレコーダーの使用のルールは、「録音した発想を、できる限り早くノートや手帳やPCに移すこと」。そしてICレコーダーのメモリを空にして再度発想を考えるのだ。

 ICレコーダーがあれば、徒歩が楽しくなる。駅から離れた客先までの徒歩数分も良質な思考散歩になる。筆者も早朝、家を出て地下鉄の駅までの約6分で発想を約8個ほど録る。地下鉄に乗るまでのちょっとした時間に発想をためられるとすれば、極めて合理的。時間ケチの筆者にとっても願ったりかなったりだ。

 もちろんまとまって歩く時もICレコーダーは手放せない。雨が降っている時だけは要注意だ。片手に傘を持っているとICレコーダーは非常に持ちにくいし、濡らして壊す可能性もある。以前、タイ・バンコクのお祭りでドバッと水をかけられて、ポケットに入れていたICレコーダーが壊れたこともあった。

 「録音、停止、録音、停止……」――。ICレコーダーに自分の思いを次々に録音している限り、筆者にとって歩くことは最良の時間と言える。かのアリストテレスも歩きながら考えた。彼がICレコーダーを知ったら驚喜しただろう。

 もちろん道路を歩く時は、自動車、自転車、通行人、電柱に注意。特に、落ちている小銭を見過ごさないように。


樋口流ICレコーダー活用術
1 常に携帯する
2 多数のファイルのICレコーダーが使いやすい。
3 サイズも音質も、極めて良くなったから、使いやすさを選ぼう。
4 ストラップを付けないと、落す。トイレでも落しやすい、
5 できればナスカンを取付けて、ズボン、ハンドバッグなどに括り付けるのが安全で使いやすい。
6 ストラップを取付け場所が、ICレコーダーの下部に付いていることを確認すること。頭に付いていると、使いづらい。

今回の教訓

ICレコーダーの重要性が分かったかな? I see――。


著者紹介 樋口健夫(ひぐち・たけお)

st_pi00.jpg 好評販売中の「ポケット・アイデアマラソン手帳'08」。1年間に1000個のアイデアを書きとめよう

 1946年京都生まれ。大阪外大英語卒、三井物産入社。ナイジェリア(ヨルバ族名誉酋長に就任)、サウジアラビア、ベトナム駐在を経て、ネパール王国・カトマンドゥ事務所長を務め、2004年8月に三井物産を定年退職。在職中にアイデアマラソン発想法を考案。現在ノート数338冊、発想数26万3000個。現在、アイデアマラソン研究所長、大阪工業大学、筑波大学、電気通信大学、三重大学にて非常勤講師を務める。企業人材研修、全国小学校にネット利用のアイデアマラソンを提案中。著書に「金のアイデアを生む方法」(成美堂文庫)、「できる人のノート術」(PHP文庫)、「マラソンシステム」(日経BP社)、「稼ぐ人になるアイデアマラソン仕事術」(日科技連出版社)など。アイデアマラソンは、英語、タイ語、中国語、ヒンディ語、韓国語にて出版。「感動する科学体験100〜世界の不思議を楽しもう〜」(技術評論社)も監修した。「アイデアマラソン・スターター・キットfor airpen」といったグッズにも結実している。アイデアマラソンの公式サイトはこちら


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