こうして一週間(月曜日〜金曜日の5日間)続けることができたら、振り返りましょう。そして、次のような視点でリストをチェックしていきます。
筆者自身もこの「課題書き出しワーク」を毎朝の日課にしていますが、続けるコツはタイマーを使って時間を正確に計ることです。カウントダウンが始まると、何となくやらなければならないような気がしてきますから、気分が乗らない時であっても背中を押してもらえますし、毎日同じ長さの時間だけ取り組んでいても書き出される分量が増えれば、やりがいも生まれるでしょう。
この習慣はあるベンチャー企業のM社長から教えていただいたものですが、彼自身は半年に一度しか振り返りをしないそうです。それでも、「半年間の課題リストを振り返ると、たいていの課題はすでに解決していることが少なくない」といいます。つまり、毎日書き出されていた課題が途中から現れなくなるのです。
ここから分かることは、課題を書き出す目的は後からそれを参照して解決を図ることではなく、書き出すことを通して意識に刷り込むことといえるでしょう。この習慣は日々の行動における無意識の部分に作用するわけです。続けることによって何か指標となる数値が改善することはないかもしれませんが、長い目で見たときに確実に変化をもたらすはずです。
実際、M社長も「人事制度を見直す」「○○の事業に進出する」「彼女をつくる」といった課題を書き出していたそうですが、半年たった振り返りの折に最後の課題以外はすでに解決していたといいます。最後の課題もいずれ解決する日が来るかもしれません。
1974年、東京生まれ。ブログ「シゴタノ!仕事を楽しくする研究日誌」主宰。学生時代よりビジネス書を読みあさり、システム手帳の使い方やスケジュール管理の方法、情報整理のノウハウなどの仕事術を実践を通して研究。その後、ソフトウェアエンジニア、テクニカルライター、専門学校講師などを経て、現在は仕事のスピードアップ・効率アップのためのセミナーや研修を手がける。デジタリハリウッド講師。著書に『「手帳ブログ」のススメ』(翔泳社)『スピードハックス 仕事のスピードをいきなり3倍にする技術』『チームハックス 仕事のパフォーマンスを3倍に上げる技術』『そろそろ本気で継続力をモノにする!』、近著に『Life Hacks PRESS vol.2』『LIVE HACKS! 今を大切にして成果を5倍にする「時間畑の法則」』がある。
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