無愛想な彼女は今日も同じセリフを繰り返すBiz.ID Weekly Top10

筆者は、毎日毎日、ある女の人に同じことで怒られ続けている。場所は“密室”。あんな場所――なのである。

» 2008年10月29日 22時18分 公開
[杉本吏,ITmedia]

 先週のアクセスランキング1位に輝いたのは、折りたたみ式キーボードを搭載したテキスト入力ツール「ポメラ」の発表記事。こういう小さめのガジェットって、なんというか一目見ただけでもなんだか気になっちゃうものである。Business Media 誠編集部ヨシオカさんの「ポメラで書くポメラ日記」シリーズも多くの人に読まれて、先週は1位から3位までをポメラ関連の記事が独占。来週のランキングでも上位に食い込んできそうな勢いだ。

 5位には、妹やツンデレっ子が怒って照れて励ましてくれるタスク管理ソフト「NetworkTODO」誕生の秘密を探った記事がランクイン。インタビューでは、「当初は(萌えボイスではなく)無機質な合成音声を使っていたんですが、そのうち機械に働かされているような気がしてきましてね……」という話が印象的だった。

 この気持ち、実は筆者にもけっこうよく分かる。というのも、毎日毎日とある合成音声に同じことを言われ続けているからだ。場所は“密室”。アイティメディアのオフィスがあるビルの、エレベーターの中――なのである。

 彼女(一応、女性の合成音声である)がまた、寝ても覚めても(?)「行キ先ボタン ヲ 押シテクダサイ 行キ先ボタン ヲ 押シテクダサイ」とうるさいのである。乗り込んだ瞬間に行き先階のボタンを押せば大丈夫なのだが、「閉」のボタンを先に押したりするともうダメだ。

 筆者はいつも閉ボタンを押した後にすぐ行き先ボタンを押しているのだが、押したにも関わらず必ず1度は「行キ先ボタン ヲ……」とのたまわれる。最下階で乗り込んで、上に行くと分かり切っているのに、しかも行き先階まできちんと示しているのに、だ。これをされると、思わず心の中で「押したやろがい!!」とエセっぽい感じ丸出しの関西弁で激昂してしまうのである。

 読者諸氏は「スギモトさん、いいじゃないスかそれくらい」と思われることだろう。でもねえ、毎日毎日芸もなく同じこと言われると、こんなことでもけっこうストレスたまるのですよ。彼女は仮にもエレベーターガール。もう少し愛想がよくてもいいのではないか。

 「あ、行き先ボタン押すの、忘れてますよ。もしかしてお仕事でお疲れですか?」とかさ。「ボタン押さないと、適当に屋上までいっちゃうぞ♪」とかさ。なんなら「行き先ボタン押すの忘れてますけど……もう少し忘れたままでも……いいですよ……」くらいのことを言われたら、もうボタンなんてずーっと押さないよ! 出社しないよ!(それはマズい)

 ……話がいつも通りおかしな方向にそれていったが、タスク管理ソフトも、人間らしい(というか二次元らしい)音声でリマインドしてくれる時代である。エレベーターも電子レンジもATMも、ピピピとかピコーンピコーンとかばっかり言ってる場合ではないのではないか! ほんの少しの遊び心というやつが必要なのではないか! などと考えながら、今日も黙って行き先ボタンを押す筆者であった。

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