そんなわけで、ここらで吉見式ユニット営業セオリーの1本目をまとめますね。
営業マンが単独で行動せず、2人で役割分担をして進める「ユニット営業」方式には、いくつかのハッキリした利点があるんです。その1つがこれでした。
ユニット営業の破壊力その1
通常の3倍のスピードで商談を進められる赤い彗星(すいせい)パワー
2人で行ったから2人出てきた、というのは単純な話ながら結構真実をとらえています。私はその後の営業経験の中でそうか、そうだな、そうだよな! とさらに確信を深めるようになりました。
1人で行くと、どこの誰とも分からない「個人」がふらりと飛び込みで訪れたように見えるので、「アンタ誰?」モードから話を始めなければなりません。
吉見 こんにちは!
相手 ……(アンタ誰?)
吉見 初めまして、○○株式会社の吉見と申します
どうですか、こんな雰囲気からあいさつを始めて、「契約ください」という商談を進められると思いますか? かなりしんどいですよね。でも営業職にはわりと普通の光景です。
ところがところが、2人で行くと、
「個人」ではなく「会社」が、きちんとした商談のために訪問してきた
ように見えます。すると、会社の商談には会社が相手をしなければならないので、担当者が上司を連れてくるケースが増え、最初から役職者に面会できる率が上がるのです。これがムチャクチャありがたい。感覚的には、通常の2倍、いや3倍のスピードで商談を進められるに近いものがあります。営業界のシャア・アズナブルを気取って赤く塗りたいぐらいです。
どうでしょうか、営業マンが2人で役割分担をして進める「ユニット営業」方式に興味を持ってくれましたか? アンタ誰? の壁を突破し、通常の3倍のスピードで商談を進められる赤い彗星(すいせい)パワーだけでも十分ありがたいのですが、メリットはそれだけじゃないんです。まだまだあります。ユニット営業の破壊力その2、その3を引き続きお話ししますからね、期待しててくださいね!!
ああ、この「ユニット営業」方式をどんどん広めて、売れずに困っている営業マンを楽にしたい。今でも、断られ続けることに無力感を覚え、上司や顧客の冷たい視線と叱責の中で身体と心をすりつぶすようにして職場を去っていく営業マンが大勢います。そんな彼らの役に立ちたいと考えて私は営業コンサルタントに転身したのですから。
それでは次回は、「ユニット営業の破壊力その2:聞き取る力倍増パワー」についてお話しする予定です。
初対面の人を前にすると全身に汗をかくほどのあがり症で営業には不向きな性格だが、ツールを多用する独自の方法を発見し注目される。現在「シロウトをプロにする」営業コンサルタントとして全国の講演で活躍中。著書に『「売れる営業」のカバンの中身が見たい!』がある。
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