インタビュー
» 2009年07月23日 20時00分 UPDATE

達人のクリエイティブ・チョイス:タイムカードは導入しない――創造的選択インタビュー全文公開(中編) (1/4)

例えば遅刻をなくそうという時、タイムカードを導入すればある程度の効果はあるはず。ですが、「タイムカードは導入しない」という選択肢もあるのです。その心は――。

[鷹木創,Business Media 誠]

 困難な選択を迫られたとき、あなたならどういう選択肢を創り出し、選ぶだろうか。そんな“クリエイティブ・チョイス”の実践者に聞く『達人のクリエイティブ・チョイス』。書籍『クリエイティブ・チョイス』の読者、そしてアイデアや発想に悩む誠 Biz.IDの読者にヒントを与えてくれそうなインタビューを掲載してきた。そのインタビュー全文を3回に分けて掲載したい。今回は第2回。

 『クリエイティブ・チョイス』の著者である堀内浩二さん(アーキット代表)をはじめ、『地頭力を鍛える』の細谷功さん、“面白法人”カヤックで代表を務める柳澤大輔さん、博報堂生活総合研究所の吉川昌孝さんらに聞いた。

st_cc01.jpg 『地頭力を鍛える』の細谷功さん(左)とカヤックの柳澤大輔さん
st_cc02.jpg 『クリエイティブ・チョイス』著者の堀内さん(左)と、博報堂生活総合研究所の吉川さん(右)

カヤックは「何をするかより誰とするか」

堀内 目的と手段の話で言うと、カヤックには「何をするかより誰とするか」というキーワードを掲げてますよね。

柳澤 はい。一緒に働くメンバーには相当こだわってます。

堀内 そう、何をするかというよりも誰とするかというところ。最初にぱっと浮かんだのは、創造的、クリエイティブというとカヤックにぴったりなんですが、創造的というと何でもいいよ、何でもありだよ、何の制限もないよというイメージがなんとなくあるんですが、結構そうではなくて。

 例えば、人に関しては固定というか、この人とやるというこだわりを、まず先に持ってしまう。この人とやるために手段を問わない。この人とできるんだったらどんな事業でもいい、とまではきっと思ってはいないのでしょうけど、「この人とやる」ありきで発想するがゆえに、いろんな手段が広がっていくのかなと思っています。ある種、自らに制約を課すことで手段においてはクリエイティブになっているような気がするんですよね。そのへんの、こだわりと創造性のバランスみたいなものについて、どうお考えになっているのかなあ。

吉川 この人とやる、というのは社内で、ということですか、それとも社外で?

柳澤 社内も社外も両方です。僕は最終的には何をやってもいいと思っているんですが、この人と一緒に働きたいなというメンバーを集めると、やることも自然と一致してくるんですよね。価値観が一緒だし、かっこいいという感覚が一緒だから、こういう仕事の仕方ってなしだよね、っていうのも一致するし。『ビジョナリー・カンパニー』にも書いてありますよね。最初にメンバーを集めろって。やり方も一緒になるし、事業もある程度しぼられてくる。

堀内 ありましたね。「だれをバスに乗せるか」。カヤックの場合は「誰と」に加えて、さらに「どこに」も決めちゃったってことですよね。鎌倉に(本社を)置くと。

柳澤 それも「誰と」の延長で、ここ(鎌倉)がいいという人を集めただけで。次は沖縄だ! 海外だ! という可能性もありますしね(笑)。

堀内 確かにね。最初に3人が会って、3人とも鎌倉を気に入ったわけですか?

柳澤 たまたまですね。場所の力って強いと思いますが、技術が進歩すれば、場所は問う必要なくなりますよね。各自が好きなところにいて、ニューヨークにいてもつながっていく。何を軸に集めるかであって、いまは場所っていうのが一つ軸になっているけど、そこは必要ないという組織になる可能性もあります。

堀内 ここで仕事をしたいというより、ここで生活をしたい、というほうが強かったですか? どこでも働けるってことになると。

柳澤 どうやって組織を作るか、吸引力を付けるかということにつきるのではないでしょうか。自分がこの組織をつぶさないように自分ごとのように考える人が集まってくれば伸びますよね。鎌倉にある、鎌倉で働きたいという事に対する欲求があるからまとまるわけですよ。さっきの技術が進歩すれば、場所を問う必要がなくなると言いましたが、そうなってくると、別の吸引力を用意することで、またさらに強くなっていくし。僕は鎌倉が好きですけど、ニューヨークが好きな人はニューヨークだったり、でも何を軸にこの組織に集まる意味があるかをまた考え直していく。それだけな気がしています。

堀内 結構順調に集まりましたよね、鎌倉で。

柳澤 鎌倉で働きたい人がいっぱいいるんだと思いますよ(笑)

吉川 今何人ぐらいいるんですか?

柳澤 今は都内にも事務所があるんで、100人……100人超えてますね。アルバイトを入れると。

吉川 都内だけで働く人もいるんですか?

柳澤 いますよ。

堀内 株式会社化する直前に1回インタビューしたことがあって、その時ちょうど大きくしようという時。あの時、カヤックは3人、兄弟会社に十何人。

柳澤 そうですね、大きくしようとしたタイミングでは。でも、その兄弟会社とも合併しちゃったんで。

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