エアコンをつけずに涼しく過ごす方法節電DIY(1/3 ページ)

エアコンの使用を減らせば当然暑い。その暑さをただ我慢するだけでは辛いので、いかに室内を涼しくするかを考えてみたい。

» 2011年08月18日 18時30分 公開
[奥川浩彦,Business Media 誠]

 一般的に夏の節電の主役はエアコンだが、エアコンの使用を減らせば当然暑い。その暑さをただ我慢するだけでは辛いので、いかに室内を涼しくするかを考えてみたい。筆者宅はマンションの4階で、そこそこ風が抜けるのでエアコンをほとんど使用しない。と言っても何もしていない訳ではないので、暑さ対策を紹介していこう。

日差し対策に必須アイテムは

 室内を涼しくするための基本は、日差しを遮り室内に熱を入れないことと、風通しをよくすることの2点だ。まずは日差し対策から考えてみよう。

 マンション住まいの筆者宅は東向きの角部屋で、午前中は東側の窓に日差しが差し込む。南側はバルコニーの奥行きが2メートルほどあるので、夏の時期は部屋に直射日光が入ることはない。と言うことで、まずは東側に窓のあるキッチンと子供部屋の日差し対策を行った。

南側のバルコニーの様子。7月まではそれほど日差しは入らない
東側は手前がキッチンからバルコニーに出るドア。その奥が子供部屋。撮影は一脚の先にカメラを付け、バルコニーの外側からセルフタイマーで撮影

 日差しを遮る際の基本は部屋の外で対策を行うことだ。カーテンで日差しを遮る方法もそれなりに効果はあるが、カーテン自体が50度近くまで熱くなるので当然室温も上昇してしまう。窓の外によしず、すだれを設置すれば屋外で発熱するのでより効果的となる。

 よしず、すだれはこの夏のヒット商品で、ホームセンターでは品薄になることもあるようだ。余談だがよしずとすだれの違いは材料で、よしずは葦、すだれは竹を使用するらしい。すだれは樹脂製のものも売られているし、近所のホームセンターでは「よしすだれ」という商品名も見かけたので実際には材料による区分も微妙な感じがする。

 筆者は一昨年の2009年11月から節電を始めた。キッチンの日よけは2010年の夏にすだれを設置したところ、午前中、猛烈に暑くなったキッチンが大幅に涼しくなった。押して出るドアが対象だったので、バルコニーの天井に接着剤でフックを取り付けすだれを設置。落下防止のためにすだれの下端を手すりにひもで縛った。風の強い日もあったが、特にトラブルもなく昨年の夏を乗り切ることができた。

天井に接着剤でフックを固定
上端をフックに引っ掛けて使用。左側は昨シーズンの使用で竹が摩耗している

子供部屋は遮光ネット

 2011年の課題は子供部屋の日差し対策だ。対策前に窓際と室内の温度を測ると、午前中の最高温は窓際が摂氏36.6度、室内が31.3度と5.3度も高温になっていた。キッチンと違い窓の外は断崖絶壁(?)なので簡単にすだれを取り付けることは難しい。両側のバルコニーを利用して物干し竿を横断させ、そこにすだれを吊り下げる方法なども考えたが、台風等で落下すると被害が出そうなので断念。最終的に園芸用の遮光ネットを使用することにした。

 遮光ネットは黒い(他の色もある)ビニールひもを編んだようなシートで太陽の光を40〜70%くらいカットしてくれるものだ。価格も切り売りなら2メートル幅で1メートル2100円前後と安い。筆者としては軽いことが重要で、万が一落下しても事故になる可能性が低い。デメリットは見た目がよくないことだろう。

 遮光ネット単体の効果を検証してみた。床面から120センチの高さに遮光ネットを貼り、遮光ネットの下の日陰と、すぐそばの直射日光のあたるところに温度計のセンサーを同時に設置し計測を行った。

 バルコニーの日陰部分の温度は31〜32度。直射日光を受けるとセンサー温度は急速の上昇し、2分後には40度を超え、4分で44度近くまで上昇、その後は44〜45度付近で推移した。これに対し遮光ネットの下に設置したセンサーは、ゆるやかに温度が上がり33〜34度で一定となった。その差は10度以上、かなりの効果が期待できそうだ。

 当初は子供部屋の左右にあるバルコニーに物干し用の縦の突っ張り棒を設置し、そこにひもを張る方法を考えたが、物干し用の縦の突っ張り棒は4000〜5000円もしたので断念。配水管にビニールひもを縛り付け、遮光ネットの上部にビニールひもをジグザグに通し、遮光ネットの下端を手すりに縛って固定した。見た目はかなりダサイ。

東側の窓を遮光ネットで覆った。かなりダサイ
左右の配水管を利用してビニールひもを横断させた
上部はジグザグにひもを通した
下端は手すりにしばって固定
設置完了。すだれの方が見た目はよい
室内から見るとこんな感じ
午前中の日差しを遮ってくれる。遮光ネットが風で北側にズレ、すだれと隙間ができた

 この状態で子供部屋の温度を測ると窓際で31.5度、室内で31.6度とほぼ同じとなりその効果が確認できた。これで完成かと思ったが、台風6号の強風で上部のひもが切れ、下端の手すりのひもで宙吊り状態となり一旦撤去。懸念はしていたが、外壁コーナー部でこすれたことでひもが切れたので対策を実施した。

 コーナー部に引っ越し時に使用する養生用コーナーカバーを設置、ひもも4ミリのポリエチレンロープに変更し風対策を行った。かなり強度が増したので10月くらいまでこのまま設置する予定だ。

コーナー部分にカバーを付けた。ひものズレ防止に溝を用意
ビニールひもを4ミリのロープに変更。ズレ防止のため遮光ネットの端をしばって固定
コーナーカバーの溝部分にロープを通し上下のズレを防止

 部屋の南側を遮光ネットで覆ってしまえば相当涼しくなりそうだが、見た目がかなりダサイのが気になるところだ。一軒家なら屋根から庭にスロープ状に設置すると劇的に涼しくなると思われる。すだれ、よしずの方が風情もあり見た目もいいので好みで選択すればいいだろう。

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