若手社員はなぜ“やる気”がなくなるのか 成長ブレーキを踏む人たち若手社員のうちに学びたい、「上司力」入門(3/4 ページ)

» 2012年10月18日 11時00分 公開
[吉田実,Business Media 誠]

あなたのブレーキはどのタイプか

 若手社員のブレーキのパターンは大きく2つに分けられる。思考のブレーキと、行動のブレーキである。思考のブレーキとは、何かが原因で考えることを止めてしまっている場合である。上司から言われたことを言われたままに行っている人はその典型的な人である。問題が起きても、「なぜ?」と原因を考えずして、場当たり的な解決策を繰り返す。

 行動のブレーキとは、頭では分かっているのだが、次の一歩を踏み出すことを恐れてしまっている場合である。現場で何度か失敗して、上司に厳しく叱られたことがある人など、このパターンに陥ることが多い。行動してもどうせ叱られるだけ。といったあきらめ感が行動のブレーキになっている。

 皆さんは、考えるけれども行動しない「頭でっかち型」か、行動はするが考えない「行動先行型」か。それとも考えて行動することができる「理想の若手」か。実際の研修においては、人によって明らかな差が出てくる。まずは、自分の特徴を把握することが重要なのだ。

いつまでも若手だと思うな

 目の前の仕事に追われる日々が続いて、じっくりと自分のことを振り返る時間をとれていないと感じる人や、先ほどのチェックシートで4や5がつく項目があった人は、要注意だ。今すぐにでも、意識を切り替えたほうがいい。そして、上司力を磨くための鍛錬をスタートさせるべきだ。

 まず、するべきことは、自分がどのようなブレーキを踏んでいるのかをきちんと自覚すること。そして、何がきっかけでブレーキを踏むようになったのかを把握することが第一である。ブレーキを踏んでいる自分を責める必要はない。今まで、何千人もの人にこのチェックシートで、自分のブレーキを自覚していただきたいたが、ブレーキをかけていない人などほとんどいない。誰もが何らかのブレーキをかけているのだ。

 次にしていただきたいのが、ブレーキを踏み続けた場合の未来を想像してみることだ。時代環境の変化は激しい。このような中で、ブレーキを踏むことで一歩を踏み出さず日々の仕事に埋没し続ける自分の未来を想像していただきたい。明るい未来を描けないならば、何か具体的な一歩を踏み出してほしい。

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