「過度なポジティブ思考」に疲れたとき、人はどうすればいいの?ボクの不安が「働く力」に変わるとき(2/3 ページ)

» 2012年11月07日 11時00分 公開
[竹内義晴,Business Media 誠]

(1)リラックスできる環境をつくる

 ゆるいポジティブ感を作るために、まずリラックスできる環境をつくりましょう。ネガティブな気持ちのときは、なかなか自分を客観的に見ることができませんが、リラックスすることで、自分が置かれている状態を冷静に、客観的に見ることができます。

 好きな音楽を聴いたり、元気が出る本を読んだりしてみましょう。公園や自然の中を散歩してみるのもいい方法です。

 注意したいのは、無理に元気を出すようなアップテンポの音楽や、テンションを上げる情報、場所を選択しないこと。それらで一瞬はテンションが上がるかもしれませんが、のちのち無理が生じやすいです。

(2)内面と対話する

 次のポイントは、ご自身の内面と対話することです。

 ネガティブな気持ちを抱いたとき、多くの場合、気持ちのいい感覚ではないので、「忘れよう」「考えないようにしよう」という気持ちが働きますが、「考えないようにしよう」と思えば思うほど、考えてしまった体験はありませんか? それはまるで、眠れない夜に「眠らなきゃ」と思えば思うほど眠れなくなる、あの感覚です。

 そこで、「忘れよう」「考えないようにしよう」とするのではなく、対話してみます。実は、ネガティブな気持ちというのは、私たちが内面に密かに抱いているポジティブな気持ちが生じさせているということをご存じでしょうか?

 例えば、先日、私はある、立場の上の方の無神経な一言にイラッとしました。以前なら、「なぜそういう言い方をするんだろう」「もっと相手のことを考えて発言すればいいのに」というような思いを抱き、そう思えば思うほどイライラ感は募っていきました。もちろん、今でもこのような感情を抱くのですが、今は、次のように考えることにしています。

 「何が、私にこう思わせるんだろう?」「もし、この気持ちのうらに肯定的な気持ちがあるとしたら、それは何だろう?」――。このように、ネガティブな気持ちの背景にある肯定的な気持ちを探すようにしているのです。そうすると、「チームとして動くなら楽しいほうがいい」「周りの人が自ら動けるように、前向きな言葉をかけていくことが大切だ」というような考えが浮かびます。自分の中の前向きな気持ちに気がつくと、「そうか、私の中にあるこの気持ちが、イラッとさせたんだな」ということがわかり、気分は軽くなったのです。

 このように、ネガティブな気持ちの背景には、ポジティブな一面が必ずあります。前向きな気持ちがあることに気がつくと、じんわりポジティブな気持ちに変わってきます。

 そういう意味では、ネガティブな気持ちを抱くのは悪いことでなく、ご自身の内面にあるポジティブな気持ちに気づくための“アラームシステム”なのです。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ