「過度なポジティブ思考」に疲れたとき、人はどうすればいいの?ボクの不安が「働く力」に変わるとき(1/3 ページ)

「目標を持て」「前向きが大事だ」といったことをよく耳にしますが、こうした過度なポジティブ思考に疲れている人もいるのでは。そうした人に「やんわりポジティブになれる方法」をご紹介します。

» 2012年11月07日 11時00分 公開
[竹内義晴,Business Media 誠]

ボクの不安が「働く力」に変わるとき:

 「毎日しんどいなあ。どうしたら、もっと楽しく働けるんだろう」――。

 先行き不透明なビジネス環境が続いている。ストレスが多くギスギスした人間関係の職場で、「いつか“うつ”になるかもしれない」と不安を感じながら働いている人も多いのでは。

 本連載『ボクの不安が「働く力」に変わるとき』では、労働者一人ひとりが抱えているメンタル面やモチベーションの課題、職場が抱えているコミュニケーションや人間関係の問題などを取り上げ、「どうしたら楽しく働く環境をつくれるか」をテーマに考えていく。

竹内義晴(たけうち よしはる)

 1971年生まれ。経営者、教師、コンサルタント、コーチ、カウンセラーなど、リーダー層を支えるビジネスコーチ。人材育成コンサルタント。

 自身がプレッシャーの多い職場で精神的に追い込まれる中、リーダーを任される。人や組織を育てるには、マネジメントの手法だけでは太刀打ちできないことを痛感。優れたリーダーたちが使う卓越したコミュニケーションスキルを学び、実践。チームの変革に成功する。実践の経験から、難しいコミュニケーションスキルを誰もが現場ですぐに使えるようにした独自の手法「トライアングルコミュニケーションモデル」を考案。実践的なコミュニケーション方法を伝えるコミュニケーショントレーナー。

 米国NLP協会認定NLPトレーナー、NPO法人しごとのみらい理事長。著書に『「職場がツライ」を変える会話のチカラ』(こう書房)がある。

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 多くの著名人は、「目標を持て」「ポジティブが大事だ」と言います。たくさんの自己啓発書の中にも、ポジティブの重要性が書かれています。

 ポジティブなのは前向きな生き方をする上で大変すばらしいことですが、中には「ポジティブが大事」が、いつの間にか「ネガティブではダメ。ポジティブじゃなきゃいけない」に変わり、「無理なポジティブ思考」に疲れてしまったり、ネガティブな自分を受け入れることに抵抗感を抱かれたりしている方もいるようです。これでは、本末転倒です。

 今回は「無理なポジティブ思考」に疲れている方のために、「ゆるくポジティブになれる方法」をご紹介します。

ポジティブな気持ちに変わっていくために

 ポジティブというのは、本来、前向きで楽しく、やる気があふれてくる言葉です。どちらかというと「出す」ではなく、「出てくる」感覚のものです。

 けれども、私たちが耳にするのは「ポジティブでなければならない(ネガティブではいけない)」「前向きに考えなければならない」といった情報ばかり。どんなに前向きで楽しいことでも、「ねばならない」に変わった瞬間から生まれるのは義務感。そこにあるのはむしろ苦しさ、ネガティブな感覚です。そのような中で、いくらポジティブに考えてもなかなか考えられるものではありません。

 ポジティブな気持ちに変わっていくためには、「ねばならない」ではなく、自然とそうなるような、ゆるいポジティブ感が必要です。以下の3つのポイントを紹介しましょう。

(1)リラックスできる環境をつくる

(2)内面と対話する

(3)この体験が将来どう役立つかを考えてみる

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