話の中に数字を入れると“それらしく”聞こえるあなたの話の9割は相手に伝わっていません(1/4 ページ)

ビジネスにおいて、相手の心に残る話し方をするのは重要だ。便利なのが、話の中に具体的な数字を入れることである。説得力が増す話し方として、押さえておきたいポイントだ。

» 2013年08月09日 11時00分 公開
[松本幸夫,Business Media 誠]

集中連載「あなたの話の9割は相手に伝わっていません」について

本連載は、松本幸夫氏著、書籍『あなたの話の9割は相手に伝わっていません』(アスコム刊)から一部抜粋、編集しています。

「自分が思うのと、全然違うかたちで伝わってしまっていた」「丁寧に話しているつもりなのに、相手を怒らせてしまった……」そんな経験は、誰でも1度はあるのではないだろうか。

実は、その原因の多くは相手にあるのではなく、自分自身が作ってしまっているのだ。そういう人はこれからも相手を怒らせたり、自分の言いたいことを伝えることができないままだろう。

本書では「相手に伝わらない」あるいは「相手を怒らせる」などの、伝わる話し方ができない人の問題点を指摘し、具体的にどんな言葉で話せばいいのかなど、今すぐに簡単に出来る改善策を詳しく解説。話し方で損をしてきたと悩んでいる人、また、相手にもっと気に入られたいと思う人にも役に立つ1冊だ。


著者プロフィール:

松本幸夫(まつもと・ゆきお)

執筆とセミナーでの講義をメインに活動するコンサルタント。スピーチドクター、NPO法人認定日本プレゼンテーション協会認定マスタープレゼンターの肩書きも持つ。NHK、その他テレビへの出演実績多数。

セミナーは好評で、全国で年間200回以上も行う。リピート率は高く、92%を超えている。

話し方以外のメソッドも定評があり「最短でできる人をつくる」をモットーとして、人材育成をはじめ、タイムマネジメント、交渉、プレゼンテーション、営業術など、さまざまな分野の研修や執筆活動を行っている。


 ビジネスのなかで相手の心に残る話し方をするのに便利なのが、話の中に数字を入れることである。数字が入ると、仮にフィクションであっても本当らしく聞こえてくるから面白い。

 私は、スピーチの指導の中で、ミニ朝礼をやってあいさつの練習をしてもらうことがある。といっても、現実には今は朝礼をしない会社も多いので、朝礼に役立てるわけではなく、あくまでも話の流れや構成をつかんでもらうためである。

 例えば「明日から交通安全週間に入ります。社用車を運転するときには、シートベルトを着用しましょう」と言うだけでは弱い。朝など眠いときには、右から左の耳に抜けてしまうだろう。そこで、理由を付ける。

 「シートベルトを着用しますと、生存率が76%高まります」と数字が入るとそれらしくなる。「生存率が高まる」とただ理由を言うだけよりも説得力が増すだろう。

 ビジネスでは数字が命だから、入れられるときにはくどいくらいに必ず入れて話そう。

 「我が社の業界でのシェアは37%を占めていて、ダントツの1位です」
 「この設備投資によって、年に25%の費用削減効果があがります」

 というように、チラッと数字が入っていると、“それらしく”聞こえてくる。

 しかし、伝わる話ができる人はそこで終わらせない。彼らは、どうすれば相手にとって分かりやすいのかまで考えた、ものの言い方をすることも大切にする。例えば「我が社のシェアは本年度37%、2位のB社が12%、3位のC社が10%となっていて、ダントツということがお分かりでしょう」という言い方をする。先のように単独でデータを示すより、ずっと分かりやすくはないだろうか。

 比較して数字で示すと、さらに相手の記憶に残る効果的な話し方になるわけだ。

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