できるだけ楽に確定申告をしたい! をかなえようfreeeでやる青色申告(2/3 ページ)

» 2014年01月08日 14時30分 公開
[菅葉奈Business Media 誠]

会計ソフトを使う

 会計ソフトには有料版と無料版があり、PCにソフトウェアをインストールして使います。当然無料のものよりも有料のほうが、使いやすく作られています。最初に銀行や取引先、屋号、年度などの基本項目を登録し、その後収入や経費を仕訳していきます。ソフトによって特徴に違いはあるものの、家事按分や固定資産管理もできて、貸借対照表や損益計算書も作成可能。頑張れば複式簿記の知識がない人でも記帳できそうです。

 それでも収入や経費の項目を自分で入力せねばならず、その作業量を思うとうんざりします。いずれのインストール型会計ソフトでも、1年分の膨大なお金の出入りを1つ1つ入力しないといけないのです。

 さらに勘定科目を自分で振り分けて登録する必要があります。そもそも簿記の知識がないからソフトを使うのに、自分で仕訳なんてできるはずがありません。類似例を探せるオンラインヘルプもあるようですが、果たして使いこなせるか不安。私の場合、ヘルプで探しても欲しい情報を見つけられないことが結構あります。

行政のオンラインサービス

 行政でもオンラインで青色申告書を作成するサービスを提供しています。行政のオンラインサービスを利用するメリットは、作成から申請までオンライン上で可能ということでしょうか。

 ただ、オンラインで申請するには住基カードとICカードリーダライタを入手する必要があります。行政のオンラインサービスで青色申告用の書類を全て作成してプリントアウトして郵送するという方法もあり、それであれば封筒さえあればすぐに提出できます。

 肝心の使い勝手ですが、会計ソフトに比べて格段に不親切という印象。もちろん自分で全て入力します。会計ソフトですら負担が重いのに、行政のオンラインサービスで青色申告できるはずがありません。

全自動クラウド型会計ソフト「freee」

 より楽に確定申告ができる方法がないか調べていたところ、クラウド型の会計ソフト「freee」にたどり着きました。クラウド型なのでインストール不要。ユーザー登録をすればすぐに使えます。

 Web口座と同期、複式簿記で自動で記帳し、さらに複雑な売掛や買掛管理もしてくれます。交通系ICカードとの連携で交通費も自動記帳。しかも同期したデータから自動で売上や買掛、売掛管理など数々のリポートを作成、経営分析もできます。

 料金は、青色申告に対応した個人事業主プランは月額980円。クラウド型なのでアップデートもメンテナンスも自分でする必要がなく、常に最新の状態で使えます。2013年3月にリリースしたばかりの新しいサービスながら、2013年内に2万3000を超える事業所が登録したそうです。

オンラインでの申し込みのほか、パッケージでの購入も可能

 freeeの目玉は自動で帳簿を付けられる点。銀行口座やクレジットカード口座を登録しておけば、Web明細と同期して自動で仕訳、記帳まで完了します。いちいち数字を入力して仕訳する必要はなく、放置するだけでどんどん記帳されていきます。

 記帳が複雑な売掛金と買掛金の管理もできます。売掛金、買掛金とは、「つけ」での商品売買。実際に商品を売買してからお金が動くまでにタイムラグがある売掛・買掛管理は全体像を把握しにくく、動きを帳簿に反映させていくのは至難の業です。freeeなら、出入金の予定を登録しておくと、動きがあれば自動で振り分けて売掛、買掛管理してくれます。

 私は月末に1カ月分の原稿料を計算して請求書を作成し、月初めに依頼元に送っています。しかし振り込みがあるのは数カ月先。例えば毎月依頼を受けているナレッジ・リンクスは、月末締めの翌々月15日支払となっています。つまり、「売掛金」での商売となるわけです。

 原稿を書いてからお金が入ってくるまでにタイムラグがあり、しかも依頼元が複数あるので管理があやふやになりがちです。しかしfreeeであればそれも解決しそうです。私はお店を運営しているわけではないので買掛金での取引はありませんが、備品をクレジットカードで決済したときなどに便利だなと感じました。

 さらにfreeeに注目したのは、経営管理にも優れているという点。同期した日々のデータからグラフや表で視覚的に経営状態を確認できるリポートが自動で作成できます。データ打ち込み、リポート作成という面倒な作業はfreeeが自動でやってくれるので、忙しい中でも経営管理できます。

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