インタビュー
» 2014年03月11日 10時00分 UPDATE

アナログ球団からデジタル球団へ――横浜DeNAベイスターズの球団業務改革 (2/2)

[宮田健,Business Media 誠]
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スカウトやスコアラーといった職人集団のITアレルギー

DeNAベイスターズ 球団マスコットの「DB.スターマン」は2012年に登場

 球団事務所には、GMを頂点とする編成やスカウト、スコアラーなどが所属するチーム運営部門、チケット販売を行うチケット営業部門、そして管理部門など約100人のスタッフがいる。中には地方に常駐して球団事務所には年に数回しか来ない人もいる。

 チームを運営する部門や興行を提供する部門は、それぞれが球団内の「職人」たちだ。PCに対して苦手意識のあるメンバーもいる。どうしたら、職人たちにITを使ってもらえるのか。萩原氏を始め、情報システム部門のスタッフがヘルプデスクとなり、一人ひとりに丁寧に対応していった。「ツールありきではなく、重要なのはゴールありきであること」(萩原氏)

 ITを導入したら、自分の仕事がどれだけやりやすくなるのか、普段の作業がどれだけ早く終わるようになるかなど、プラス効果を説いて回った。「まずゴールの姿を見せて、『便利だね』『いいよね』と思ってもらえることが重要。『イメージしてみて?』と説明することが多かった」。

 萩原氏らの草の根的な活動によって、次第に「IT活用は決して難しいものではない」ということがスタッフに伝わっていった。同時に、一人ひとりとの密接なコミュニケーションが必要になるため、萩原氏は「多くのスタッフと距離感が近くなれたのは大きかった」という。

チーム強化のためのベースボールオペレーションシステム導入へ

DeNAベイスターズ 中畑清監督の還暦を祝った赤いTシャツ

 球団の職人たちは、まだ完璧とはいえないまでも、ITを使いこなし始めている。例えば、活動スケジュールを共有するようになり、コンタクト先である名刺の電子化なども徐々にシステム化が進んでいる。

 今後は、選手に近い部分のシステムも大きく変化する。現在、選手の情報を一元管理してチーム編成に役立てる「ベースボールオペレーションシステム」の構築が進んでいるのだ。

 例えば、選手一人ひとりのデータが集約され、選手の映像からフォームのチェックなどもPCやスマホ、タブレットからできるようになるという。すでに、ジェネラルマネージャーやチームの一部メンバーではシステムを運用し始めており、今後球団内で広く展開を図っていく。

 横浜DeNAベイスターズの誕生は、アナログ主体だった横浜ベイスターズと、IT中心のDeNAという、ある意味水と油のような2つの企業体が、うまく混ざった成功例と言えそうだ。

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