マッキンゼーの上司たちは、決して自分の肩書きを誇ったり、立場に物を言わせて、強引に押し通したりはしませんでした。「上下関係」は、存在しなかったと言ってもいいくらいです。
上司の役割を担う人は、よりバリューが出せるからこそ、そのポジションにいるのであって、自然と部下からはリスペクトを集めます。自分のチームやプロジェクト、ひいてはマッキンゼー日本支社のバリューを最大化するために、部下を励まし、刺激して力を引き出すことを最優先にしていました。
お互いの評価の対象は、出したバリューだけ。
バリューを出している人が一目置かれ、リスペクトを集めます。
バリュー以外の要素には、だれも口出しをしません。
それがマッキンゼー流なのです。
マッキンゼーには、部署やプロジェクトごとのチーム分けはあっても、派閥は存在しません。情で仕事をせず、親分、子分の関係は重視されません。すべてはバリューを出すために働くのです。
もちろん、ときには直接バリューを出せなくとも、間接的に他人のバリューを高められる人が重用されるケースはありましたが、結局同じことです。
いわゆる「ゴマすり」も、マッキンゼーには存在しません。本質的な仕事をしている組織では、肩書きはただの役割に過ぎないのです。
肩書きとは、「役割」。すべては、バリューを出すためにある。
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