記帳義務化の白色申告を“やよいのクラウド”で乗り越えたときに分かることやよいの白色申告オンライン(1/3 ページ)

2014年1月から白色申告者のすべてに帳簿付けと保管の義務が課せられることになった。これまでどんぶり勘定で確定申告をしていた人にとって大きな変更だ。これを機にクラウド会計ソフトを使ってみるのはどうだろうか?

» 2014年12月09日 13時30分 公開
[宮田健Business Media 誠]

 年の瀬になると個人事業主の頭をよぎるのは「確定申告」のための作業。夏休みの宿題のごとく「毎日、いや毎月やっていれば……」と振り返っても仕方がない。

 2014年1月からは白色申告でも記帳義務化が始まっているのも分かっていたけれど「どうも手が動かなかった」という人もいるだろう。今回は、準備なしの状態で今から白色申告をこなすことを前提にして、クラウド会計ソフト「やよいの白色申告オンライン」の使用感をお届けしたい。結論からいえば「やってみれば何とかなる。でも……」。

白色で記帳といっても、思ったほどハードルは高くない

 白色申告での記帳は「単式簿記」と呼ばれるもので、いわば「お小遣い帳」「家計簿」を付ける感覚でこなせる。とはいえ「それができないから問題なんだよ!」という声もあるだろう。

 その手間を簡単にするのがクラウド会計ソフトだ。PCに専用ソフトをインストールすることもなく、Webブラウザがあればいい。パッケージソフトの多くがWindows用で困っていたMacユーザーにはうれしい。

 さらに最近のクラウド会計はクレジットカードや銀行口座を登録することで、半自動的に取引データを取り込める。ボタンを押すだけで毎月のお金の流れを記録できるので、手書きの家計簿よりも簡単だ。

 今回レビューする「やよいの白色申告オンライン」は白色申告に特化したクラウド会計ソフトだ。中小企業や個人事業主向けの会計ソフトで圧倒的なシェアを持つ弥生が提供するもので、利用料はセルフプランが年間4860円(税込)、電話サポート付きのベーシックプランが同8640円(税込)。今なら初年度キャンペーン価格としてセルフプランを0円、ベーシックプランを4320円(税込)で使える。

 サービスに登録すると、メイン画面はかなりシンプル。この中でもよく使うのは「かんたん取引入力」と「スマート取引入力」だけなので、この2つの取引入力をそれぞれ見ていこう。

やよいの白色申告オンライン メイン画面はシンプルですっきりとしたレイアウトだ
やよいの白色申告オンライン ユーザー登録時、業種に「ライター業」があったので選択。これは最終的に確定申告書の業種欄に反映される

「仕事の対価を受け取った」「経費でものを買った」の入力は簡単

 まず、仕事を受けてお金をもらった(収入が増えた)、仕事に使うさまざまなものを買った(支出が増えた)など、日常で発生する取引を入力してみよう。これらはすべて「かんたん取引入力」で行う。

 必要な情報は「いつ」「いくら」「誰から」「受け取った/支払った」の4つ。ここでは勘定科目や仕訳を考える必要は一切ない。「よく使う取引」ボタンを押せば、およそ考えられる取引がすでに登録されてるので、これを選ぶだけでいい。

 例えば、支出なら「事務所兼自宅家賃の支払い」「ゆうパックの発送」「携帯電話の支払い」「Suicaのチャージ」など。「クレジットカードの年会費」や「固定資産税の納付」などまで登録されており、1年に1回くらいしか使わないようなものに悩まなくて済むのでありがたい。自分が使わないような取引があれば、それを削除することもできる。

やよいの白色申告オンライン かんたん取引入力の画面には、「よく使う取引」にあらかじめかなりの数の例が登録されている。キーワードを入力すれば絞り込める

 筆者のようなフリーランスのライターならば、仕事をして入金があったタイミングで日付と原稿料の額、発注元を入力すればOK。収入は銀行振込で入金されるので、通帳の明細を見ながら記録する。源泉徴収額も自動計算されるので、もし発注元から明細が出ていれば、この金額が正しいかどうかを念のため確認しておこう。

やよいの白色申告オンライン 取引日、取引先、収入額を入力。源泉徴収額は自動的に計算される
インフレ時代の確定申告
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