自ら動き、周りに共感してもらう「のび太」という生きかた

どんなに人を感動させる夢を持っていても、何も行動を起こさなければ夢は実現しません。「自分の力でやってみよう」と周囲に思わせる行動をとってこそ、サポーターが現れるのです。

» 2015年02月03日 05時00分 公開
[横山泰行,Business Media 誠]

連載:「のび太」という生きかた

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 この連載は書籍『ポケット版「のび太」という生きかた』(アスコム)から抜粋、再編集したものです。

勉強も運動も苦手でぐうたらしてばかりののび太。でも、映画版で大活躍し、しずかちゃんと結婚し――、実は人生の成功者だったのです。そんなのび太から、無理せずに自分らしく生きて夢まで叶えてしまう方法を学んでみませんか?

本書では、のび太から学べる人生の成功法則を「のび太メソッド」と提唱し、全部で37つ紹介しています。

 ・完璧をいきなり目指さない
 ・かっこいい自分を想像する
 ・直感で判断。とにかく動き出す
 ・夢は叶うと信じ切る
 ・自分より、まず他人の幸せを望む・「愛する存在」で心を強くする

など。

この「のび太メソッド」は、どんなダメな奴でも夢が叶う魔法の法則です。みなさんの人生にも役立つヒントがたくさん詰まった1冊です。


 誰もが共感し、感動できるような夢は、高い確率で叶うものです。

 のび太が誠心誠意育てた恐竜のピー助を、仲間たちのいる日本の海にもどそうとするシーンでも、それは読み取ることができます。夢を叶えるためには、「周りの人を感動させ、巻き込むこと」が重要であるというメッセージを読み取ってください。

「のび太の恐竜」

 スネ夫に恐竜のツメの化石をひとりだけ見せてもらえなかったのび太は、みんなの前で「恐竜丸ごとの化石を発掘する」と宣言してしまいます。でも、軽はずみの発言に愛想を尽かしたドラえもんは、のび太を最初は助けませんでした。しかし、ひとりで恐竜の本を借りてきて研究を始めたのび太を見て感動したドラえもんは、ひみつ道具をさりげなく廊下に落とすなどして、陰からサポートすることに。
 ついにのび太は、ほとんどひとりの力で恐竜の卵の化石を見つけ、ふ化させ、その首長竜の子どもに「ピー助」と名前をつけて育てることに成功します。そして、ピー助を「タイムマシン」で白亜紀の恐竜の世界に送りますが、日本産の恐竜であったピー助を、間違って北アメリカに放してしまったのです。ピー助は、違う恐竜たちから仲間はずれにされて泣いて困ってしまいます。
 それを知ったのび太は、しずちゃんやジャイアン、スネ夫も連れて、ピー助の救出に向かいます。しかしタイムマシンが故障したため、北アメリカから日本まで「タケコプター」で移動することになったのです。
 途中で怪鳥プテラノドンの大群に襲われ、危うく全員食べられるところでしたが未来から来た恐竜ハンターに救出されます。ただ、この恐竜ハンターは人に馴れていたピー助を狙っていたのです。恐竜ハンターは、ピー助を渡せばその代金を払ったうえ、5人をタイムマシンで日本まで送り返すという条件を提示します。
 その晩、5人は集まってこの条件をのむか相談しました。頼みの綱であったタケコプターも昼間の高速連続運転で故障しています。
 スネ夫はピー助を恐竜ハンターに渡すことを提案。しかし、しずちゃんは「それじゃ、ピー助ちゃんがかわいそうじゃないの!」と反対し、のび太は「それがピー助にとってしあわせなことだと思う? そんなことにならないようこれまでがんばってきたんじゃないか」とみんなに強く訴えました。
 すると、ずっと黙っていたジャイアンが恐竜ハンターには世話にならないで、歩いてでも日本に帰ると強く主張します。「怪鳥に襲われておれがタケコプターをおとしたとき、おまえ(のび太)、おれの手をはなさなかったもんな」と、ジャイアンは男の友情に報い、ピー助の幸せを願うのび太の計画に乗る決意をしたのです。

 『大長編ドラえもん(Vol.1)のび太の恐竜(てんとう虫コミックス)』小学館 より

 のび太の「それがピー助にとってしあわせなことだと思う? そんなことにならないようこれまでがんばってきたんじゃないか」というセリフが表すように、この計画にはのび太に私利私欲的な要素は皆無で、のび太の動物に対する優しさが根底に脈々と流れています。誰にでも分かりやすく、その行動を起こすべきだと思える夢だったからこそ、積極的にサポートする仲間も登場したのです。

 ドラえもんのストーリー全体を通じて、のび太の夢や冒険は欲に駆られた大人など、子どもの世界の悪に立ち向かうものであったり、環境を破壊する人類の敵や人間の幸せを妨害するロボットなどを成敗しようとするものです。その背景には常にみんなの幸せを願うのび太の優しさがあるので、ドラえもんやジャイアンたちはその心意気に感動して積極的に手を貸してくれるのです。

(画像と本文は関係ありません)

 でも、どんなに人を感動させる夢を持っていても、何も行動を起こさなければ夢は実現しません。「自分の力でやってみよう」と周囲に思わせる行動をとってこそ、「失敗してもいいさ!」と、その計画に乗ってみようという人や、「温かい目で見守ってやろう」というサポーターも現れるのです。

 また、あなたの夢なのですから、あくまでもあなたがリーダーなのです。困難にぶつかってどうしてよいか分からないとき、すぐに人に頼ったり助言を求めていては、あなたがその計画に対してどのくらいの熱意で挑んでいるのかが周りに伝わりません。自分の頭で考え、自分の力で切り抜けてみましょう!

 人が共感できる夢を持ち、その夢に対するあなたの熱意が周りに伝われば、自然と協力者が現れ夢は自ずと叶いやすくなる――。そのことを信じて、行動を起こしてください。

のび太メソッド12

自ら行動して、周りに共感してもらう


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