広島カープ独走Vの裏で、四面楚歌になりつつある阪神・金本監督の苦悩赤坂8丁目発 スポーツ246(4/5 ページ)

» 2016年09月15日 06時00分 公開
[臼北信行ITmedia]

「超変革」をモットーに戦ってきたのに

 それを象徴しているのが、13日の一部スポーツ紙に掲載された記事。阪神フロントがチーム低迷に歯止めをかける意味で今オフ、大型補強に打って出るという内容のものだ。その記事によれば、オリックスの糸井嘉男外野手や日本ハムの陽岱鋼(よう・だいかん)外野手、中日の平田良介外野手、大島洋平外野手といった国内FA権を取得した大物たちをフロントが調査し、今オフの獲得に向けて水面下で動き出しているという。

 眉唾ではなく、この記事はおそらくほぼ事実であろう。なぜならば、阪神OB曰く「阪神というフロントは在阪の各スポーツ紙に情報を小出しにして恩を売り、後々バッシングを書かれないようにする傾向が昔からある」からである。そして同OBは、こうも続けて嘆いた。

 「ただ、この記事に書かれているように今オフに球団が大型補強を行えば今年1年、金本監督がファンからバッシングを受けることを覚悟の上で『超変革』をモットーに若手の積極起用でチーム編成を進めてきたことが水泡に帰す可能性が高くなる。もちろん今季起用されていた若手たちも大物が入ってくれば、出場チャンスを失うわけだから当然腐る。チームのムードは悪くなってしまい、来年は戦力アップどころかさらに空中分解に追いやられてしまうかもしれない。

 今のフロントは目先のことばかり考えてビジョンがないんだ。結果が出なければタイガースファンがワーワー騒ぎ出すのは、ある意味で想定内だったはずで、それでもブレずにデンと構えていればいいはずなのだが……。もともと金本監督を招へいしたのも若手育成の大義名分があったはずではなかったのか。フロントが慌てているから、こういうワケのわからない補強話がこんなタイミングで出てきてしまう」

 そのフロントからは「1〜2年は最下位になっても構わないから、3年目で結果を出すぐらいのつもりで頑張ってほしい」と言われ、三顧の礼で迎えられたはずの金本監督。温かい眼差しで金本流チーム再建術を見守るつもりだった熱狂的虎党たちからも少々負けが込むと猛烈なバッシングを一気に浴びせられるようになった。この流れにフロントも足をバタつかせているとなれば、まさに本末転倒だ。

金本監督は「超変革」をモットーに掲げてきたのに……(出典:阪神タイガース)

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