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» 2016年09月16日 05時30分 UPDATE

伊藤園や中古車販売のIDOMが総力戦で挑む変革とは? (1/2)

ビジネス環境が目まぐるしく変化する中、企業がさらなるビジネス成長を遂げるためには全社一丸となった総力戦が不可欠だ。本稿では伊藤園やIDOMの取り組み事例を紹介する。

[ITmedia]

 かつて企業では“一匹狼タイプ”の営業スタイルが大いに脚光を浴びた。しかしながら、ビジネススピードが早く、顧客ニーズが目まぐるしく変化する現在、営業担当者一人だけの力では立ち行かなくなっているケースは確実に増えているだろう。そこでバックヤード部門も巻き込んだ組織一体での営業アプローチが不可欠になりつつあるのだ。

 そうした中、ITmedia ビジネスオンライン編集部では8月25日、『組織一体でアプローチ! 「部門連携」と「仕組み」で大きく売り上げる“総力戦営業”』と題したセミナーイベントを開催。基調講演では、自動車の買取・販売会社であるIDOM(旧:ガリバーインターナショナル)の執行役員で、新規事業開発室室長を務める北島昇氏が登壇し、全社の力を結集した売り上げ拡大の新たな取り組みについて紹介した。

海外にも積極的にガリバー店舗を展開するIDOM 海外にも積極的にガリバー店舗を展開するIDOM

 IDOMという社名に変更したのは2016年7月。背景にあるのはマーケットが劇的に変化する環境をチャンスととらえて、今後ブランドや事業が多岐に渡ることを想定すると、その統括企業としての位置付けを明確にする必要があった。そこで未来へ挑戦していくという強い思いを込めて社名をIDOM(挑む)に変えたのだ。

 同社は1994年に福島県郡山市で創業。当時の中古自動車業界では、各社の担当営業が言い値でクルマを下取りしていたため、買い取り市場の透明化を目指したというのが同社のスタートである。1998年には通信衛星を介して自動車販売を行ったり、販売のマルチチャネル化を積極的に推進したりと、これまで挑戦と変革を合言葉にビジネスを伸ばしてきた。

 そうした中で今、2つの大きな課題に直面する。1つは日本での新車販売台数の低迷、もう1つは米Googleなどが開発する自動運転やUberに代表されるカーシェアリングサービスの登場である。

 「マーケットトレンドが所有から利用へ、また、ビジネスモデルが売る&買うから、貸す&借りる、さらには使うへと移り変わっています。こうした状況で当社はどうすべきかを考える時期が来ていたのです」(北島氏)

IDOM 執行役員 新規事業開発室室長の北島昇氏 IDOM 執行役員 新規事業開発室室長の北島昇氏

 そこで同社が目指すのが、クルマの情報とユーザーをつなぐプラットフォームになることである。同社の最大の強みはクルマに関する膨大な情報を持つこと。この既存アセットの活用が有効だと考えた。

 その実現に向けてIDOMでは既にいくつかの具体的な施策を打ち出している。1つが月額定額制の乗り換え放題サービス「NOREL」だ。これまで培った同社の商品調達力を生かし、クルマのサブスクリプションという新たなビジネスモデルを構築する。

 次に、クルマの個人間売買を行うアプリ「クルマジロ」である。代金のやり取りからクルマの輸送、名義変更まで煩わしい手続きをすべてIDOMが代行することで、買う側も売る側も余分な手間をとることなく取引できるようになるという。

 最後が、チャット形式のオンライン接客プラットフォーム「クルマコネクト」だ。店舗と同等の接客をオンラインでもできるようにしたもので、後追い成約率の向上にも役立つと考えている。

 重要なのは、これらの新サービスには、クルマ売買のプロであるプロパーの営業社員やIT系の中途入社社員など、さまざまな人材がかかわることで成り立っていることだ。「こうした部署横断型のサービスは経営陣しか決められないものでした」と北島氏は断言する。なぜなら、全社売り上げを伸ばす、市場シェアを大きくするというのは、一営業担当者の役割ではないからだ。「例えば、買い取り担当の現場営業マンが売上高を増やすためにCtoCサービスをやるべきだという発想は持たないでしょう」(北島氏)。

 同社の経営陣が英断だったのは、北島氏が新規事業を立ち上げる際に、現業を否定しても構わない、IDOMを外部パートナーの1社として見ても良いなどと明確に言われたことだという。「新しい事業に挑戦するには、それを許容する人事制度、組織の壁を壊していく環境が不可欠。当社にはそれがありました」と北島氏は力を込める。

 さらには社内のリソースだけにとらわれず、外部の優秀な人材は異業種であってもどんどん取り込んで、新しいアイデアを創出しようと積極的なのだ。まさに社内外を問わず、総力戦で次々と挑んでいるのがIDOMという会社なのである。

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