そして顧客を生み出すマーケティング戦略の一つが「キャズム理論」なのだ。冒頭で書いたきゃりーの事例は、これを分かりやすく紹介したものだ。
しかしながらジェフリー・ムーアが“Crossing the Chasm”(邦訳名「キャズム」)を出版しキャズム理論を紹介したのは、1991年。当時インターネットはまだ普及前夜だった。このキャズム理論が25年の時を経て、インターネットの最新事例と理論を取り込み大きく進化したのだ。
キャズム理論に基づき企業変革を支援するキャズム・インスティチュートでマネージング・ディレクターを務めるマイケル・エックハート氏は、「日本企業は、最新キャズム理論の考え方を取り入れることで、デジタルテクノロジーを生かし、この10年で覇権を取り戻せる」と断言する。
このたび筆者は、キャズム・インスティチュートが東京都内で開催したセミナーに参加し、さらにエックハート氏と意見交換する機会を得た。そこで次回は最新キャズム理論を紹介し、その次に日本企業でこの最新キャズム理論を取り入れるための課題と解決策を紹介していきたい。
(つづく)
マーケティング戦略アドバイザー。1984年に慶應義塾大学工学部を卒業後、日本IBMに入社。製品開発マネージャー、マーケティングマネージャー、人材育成責任者を担当。2013年に同社を退社して独立。ウォンツアンドバリュー株式会社を設立して代表取締役に就任。製造業・サービス業・流通業・金融業・公共団体など、幅広い企業や団体を対象に、マーケティングに関する講演や研修を行っており、さらに企業との協業も数多く実施している。
主な著書にシリーズ累計60万部を突破した『100円のコーラを1000円で売る方法』シリーズ、『そうだ、星を売ろう』『戦略は「1杯のコーヒー」から学べ!』(以上KADOKAWA)。最新著は『これ、いったいどうやったら売れるんですか? 身近な疑問からはじめるマーケティング』(SB新書)。
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