コンビニの高齢化対策として、比較的進んでいるのは「品ぞろえ」だ。
例えば、おむつ。10年前までは、大人用のおむつを置いている店はほとんどなかったが、現在では多くの店舗で標準的な品ぞろえに入っている。棚のスペースもA4サイズ程度を確保するだけなので、オーナー店長は「置くか、置かないか」という判断だけでいい。日常業務である「商品の入れ替え」「棚割りの変更」などで調整できるので、レギュラーの品ぞろえに加えるのは特に難しいことではない。
他の例として、弁当のカテゴリーに「白飯」がある。これは「弁当ではなく、ご飯と好きな総菜を一緒に購入してもらおう」という狙いがあったが、多くの消費者には響かなかったようで、あまりにも売れず品ぞろえをやめる店も少なくなかった。
ところが最近では、「家でご飯を炊くと余ってしまう」という独り暮らしの老人が1食用(もしくは2食用)として購入することも珍しくない。筆者がコンビニオーナーだったころも、白飯を定期的に買っていく高齢の常連さんがいた。ほぼ毎日だったので、そのお客さん用に白飯を発注していたこともあった。
このように、コンビニが取り扱う商品の最大メリットは「幅広く」かつ「小分け」であること。偶然にもコンビニの品ぞろえは、そもそもが単身および高齢者に向けたラインアップであった。また、ほとんどのコンビニは24時間営業で、徒歩圏内にある。高齢によりクルマを運転できなくなった人にとっても、買い物がしやすい環境と言えよう。
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