できたて提供 ローソン「まちかど厨房」開発に込めた思い店内調理を強みに(2/4 ページ)

» 2017年04月10日 08時00分 公開
[加納由希絵ITmedia]

加盟店の武器に

 新たな事業モデルとなる、まちかど厨房の開発の目的は、「店内厨房の実施店舗を広げること」。根強く残る「大変」というイメージを変え、「加盟店の“武器”になるもの」にすることが必要だった。設備や商品などに工夫を加えることで、パッケージ化できる仕組みの構築を目指した。

 例えば、メニューごとにバラバラだった弁当の容器を統一したり、汎用性のある包装フィルムを採用したりと、細かい作業の煩雑さを減らすことに取り組んだ。また、メニューも簡単にした。店内厨房で揚げるとんかつを複数の商品に使用するようにしたほか、飲食店と共同開発したカレーなどをラインアップに加えた。おいしさを維持しながらも、パッケージ化して商品の幅を広げた。

 しかし、システムが変わっても「大変」「手間」というイメージは根強く残っていた。弁当の店内調理が少数店舗の取り組みだったころ、本社と店舗の間で情報共有が十分にできておらず、その状態が続いていたからだ。本社には「現場感がなかった」という。

 そこで、鷲頭さんの経験が生きた。地方勤務で学んだ、現場で発生する細かい問題やそれを解決する知恵などを、各店舗を回るスーパーバイザーに教え、加盟店に伝える情報として活用してもらった。また、新しい店内厨房がどんなものであるのか、伝えるための研修なども実施し、イメージを変えることを目指した。

photo 店内厨房の様子(ローソンTOC大崎店)

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