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» 2017年07月12日 11時00分 UPDATE

開業から丸2年:「変なホテル」総支配人が語る、完全無人化が不可能な理由 (2/5)

[鈴木亮平,ITmedia]

「掃除」と「質問対応」を自動化

――開業から丸2年が経ちました。現在の客室稼働率とロボットの数を教えてください

大江: 連休などのピーク時で9割、平日でも常に7〜8割以上の推移で稼働できており、開業当初と変わらず想定以上の集客ができています。

 導入しているロボットの数も6種類・82体から26種類・219体に増えました。人件費もそれに応じて削減できており、運営スタッフは30人から5人にまで減らすことができています。

――スタッフを30人から5人に減らせた理由は何でしょうか?

大江: 開業当初から部屋の予約、部屋割り、チェックインの自動化はできていましたが、清掃スタッフがある程度必要でした。掃除ロボットを充実させたことで、だいぶスタッフ数を削減できました。特に床掃除だけでなく、窓掃除も自動化できたことが大きいです。今までは全てスタッフがやっていましたので。

 また、広い庭の芝刈りを自動化できたことも大きいです。導入した芝刈りロボットは充電がなくなりそうになると、自分で充電ポイントまで戻り、充電が完了するとまた自動で動き出しますので人間が介することなく完全に任せることができます。

 その他、削減できた要因としては、宿泊者からの質問への対応を効率化できたことが挙げられます。質問内容としてはレストラン(朝食会場)やバスの運行時間、テーマパークへの行き方に関する質問が多いのですが、こうしたよくある質問は「Q&A」のアプリにまとめて、部屋に設置してあるタブレットからその回答を見れるようにしています。

 この「Q&A」コンテンツを充実させたことで、宿泊者がフロントに電話して質問するケースがほとんどなくなりました。結果として、スタッフの大幅な削減につながっています。

photo 荷物を預かるロボットクローク

――変なホテルのように「Q&A」コンテンツを充実させているホテルが少ないと感じます。その理由は何だと思いますか?

大江: 基本的に、良いホテルサービス=ホスピタリティという考え方がホテル業界にはあると思います。ですから、「フロントにスタッフがいない」「質問にはQ&Aアプリで対応する」という発想が出てきにくいのかもしれません。

 ホテル業界特有の価値観だと思いますが、人間である必要性がなくても“あえて人を配置する”というケースはかなり多いと思います。それが、ホテルサービスにおけるおもてなしと考えているからです。

 実際、開業当初は「このホテルにはおもてなしがない」といったマイナスの意見も多くありました。受付は自動化しているので、当然「お出迎え」をするスタッフもいませんし、スタッフがほとんどいないホテルに宿泊者も慣れていませんでした。

 しかし、最近ではこうしたマイナスの意見はほとんどなくなり、エンターテインメント性を評価してくれる宿泊者が増えましたね。逆に、スタッフの姿が見えてしまうとガッカリされるくらいです。「ロボットのホテルなのに、人間が働いてるところを見たくないよ」と(笑)。

photo 変なホテルのフロント

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