新幹線には「安全神話」という言葉がある。非常列車停止装置や広範囲に設置された地震計など、「危険を察知したら止める」という仕組みが何重にも施されている。無事故、事故死傷者なし。だから新幹線は安全、安心な乗りもの、というわけだ。
まるで神の采配のように言うけれど、これらの安全システムは神ではなく、人が考案、運用してきた。だから、安全を維持するためには人のたゆまぬ努力が必要だ。それを「神話」とくくってしまうと妄信が始まる。努力を怠るようになる。
自動車業界に「安全神話」という言葉はない。航空業界にもない。検索してみたら、鉄道業界の他にもう1つ見つかった。原子力発電だ。「安全神話」という言葉は「使い始めたら危険が始まる」という信号かもしれない。
新幹線の台車に亀裂が見つかった事件から、さまざまな問題が発覚している
2017年12月に起きた新幹線「のぞみ34号」の台車亀裂事件は、調査が進むにつれて芋づる式に問題点が発覚している。JR西日本の対応、川崎重工の製造工程、そして問題は他社製台車の問題発覚まで広がった。
JR東海は「念のため交換し、検査しました。傷はありましたが問題ないレベルでした」という。日ごろから入念にチェックして運行しているから、危険レベルまで察知したら対処する。現状では問題ない。
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- JR西日本、東急電鉄の事故から私たちが学ぶこと
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JR東海が東海道新幹線向けに新型電車「N700S」を発表した。最高速度は変わらず、最新技術は省エネルギーと安全性と乗り心地に振り向けられた。さらにN700Sには新たな使命として「標準化車両」というキーワードを与えられている。高品質な車両を国内外問わず提供するという。しかし本音は「東海道新幹線の変化に対応し、その価値を維持する」ではないか。
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