清宮の体調はイマイチなのに、日本ハムが一軍にこだわる事情赤坂8丁目発 スポーツ246(2/4 ページ)

» 2018年03月16日 07時56分 公開
[臼北信行ITmedia]

生真面目で繊細な神経の持ち主

清宮の性格はプロで通用するのか

 もちろん、清宮も厳しい重圧を覚悟した上でプロの世界に飛び込んできたはず。ましてや高校時代からフィーバー慣れしているところもあり、もしかしたら自分はプレッシャーに強いから大丈夫とタカをくくっていたところがあったのかもしれない。だが、それは思いのほかに想像以上で本人の許容範囲を超えてしまったように思える。

 加えて言えば、清宮は周りが考えているよりもかなり生真面目で繊細な神経の持ち主だ。早実野球部で主将を任された3年生のころ、いつもチームメートに気を配りながら和を乱さないように心がけてきたことは多くの同校関係者が知っている。

 だから日本ハムでは大物ルーキーとして常にチーム内の先輩以上に注目を浴びる特殊な環境下に身を置かねばならないことも、実は清宮にとってストレスにつながっているのではないだろうか。まだロクに活躍もできていない自分が先輩たちよりも騒がれてしまって申し訳ない――。清宮やその周辺の取材を重ねていると、人知れず彼本人がそういう悩みにも苦しんでいるような気がしてならないのだ。

 2月中旬まで行われていたチームのアリゾナキャンプあたりまでは連日に渡って“お祭り状態”だった各メディアの清宮関連ニュースも、ここ最近はすっかり扱いが小さくなってしまった。ごくたまに大きく報じられても「リタイア」や「連続無安打」といったマイナスの話題ばかり。清宮本人がパッとせず「新怪物伝説」の幕開けどころか尻すぼみの気配すら漂わせていることで、今や世の中の関心もすっかり薄らいできているのだから仕方がない。

 しかしながら栗山英樹監督は清宮の開幕一軍メンバー入りについて一旦白紙に戻したものの、可能性がわずかでも残っている限りはギリギリまで再考する含みも持たせている。現状について普通に考えれば、清宮は開幕二軍スタートが無難だろう。それでも、なぜ指揮官は大物ルーキーの開幕一軍入りの可能性を残したのか。それは確固たる球団の育成方針に基づいているからである。

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