アメフト「悪質タックル問題」で日大学長が会見 2時間熱弁も真相見えず一問一答を詳報(1/5 ページ)

» 2018年05月25日 20時12分 公開
[濱口翔太郎ITmedia]

 アメリカンフットボールの日本大学と関西学院大学の定期戦で、日大の選手が関学大の選手に悪質なタックルを行って負傷させた問題で、日大の大塚吉兵衛学長が5月25日に記者会見を開き、「ご迷惑をおかけしたことをおわび申し上げる」と謝罪した。

 大塚学長は会見で、タックルをした選手について「現在は授業に出てこれていないが、復帰したら話を聞きに行きたい」と説明。内田正人前監督への聞き取り調査などはしていないことも明かし「現在は第三者委員会を組織し、人選を進めている段階。事実関係の解明などは第三者委や関東学生アメリカンフットボール連盟に一任したい」と話すにとどまった。

photo 日本大学の大塚吉兵衛学長(=「ニコニコ生放送」より)

 タックルをした選手は22日、内田前監督と井上奨コーチは23日に会見を開催。前者は「監督から『つぶしに行け』と指示があった」、後者は「私の指示ではない」(内田前監督)と述べるなど、意見が真っ向から食い違っている。

 この点について大塚学長は、「世代間の捉え方やコミュニケーションの不足」「本人同士の受け止め方の違い」「監督とコーチが全くのうそをついたのか?と聞かれたらコメントできない」などと話すにとどまり、真相については明言を避けた。

 大塚学長は日大運動部の責任者を務めているが、問題発覚後から現在に至るまで釈明などを発表しなかった点については「グラウンド内で起きた問題であり、私が口出しすることではないと考えた。自分が中途半端に介入した方が事態が混乱すると思った」などと話した。

 会見は、午後3時30分から約2時間続く長丁場となった。開始当初は場内に女性が乱入し、「ものを申しに来た」などと絶叫。関係者に退出させられる一幕もあったが、その後は大きな混乱はなかった。

 大塚学長は謝罪を一通り終えると、報道陣との質疑応答に対応。学生への思いやアメフト部の立て直し策について見解を語った。23日の内田前監督らの会見で司会を務め、報道陣と舌戦を展開した日大広報の米倉久邦氏とは違う担当者が司会を担った。

学生は語るべきことを述べた

――タックルをした選手と、内田前監督・井上コーチの会見を見てどんな感想を持ったか。

大塚学長: 学生は真摯(しんし)に語るべきことを述べた。ただ、監督・コーチの話すところとは食い違いがあるとは感じた。

――タックルをした選手に会ったら、どんな声をかけたいか。

大塚学長: 学部長を通じて彼に連絡してあり、今後のことを相談する予定。授業においては数日間のブランクが空いているので、何らかの補完をする。

 彼の親と話し、勉強したい意向があると聞いている。週明けにも学校に来るはずだ。彼はこれからも本学で学んでほしい。

――ルールを守らない学生が出たことは事実。今後は教育体制をどう改善するのか。

大塚学長: 教育について今後さらに検討し、全運動部を巡回して(横断的に)指導する担当者を設けたい。学生の指導が中心になっており、監督・コーチへの指導はおろそかになっていた面もあるため、徹底したい。

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