企業が、「長時間労働の是正」や在宅勤務などの「自由な働き方」を推進する際や、「同一労働同一賃金(非正規社員の処遇改善)」(関連記事)に取り組む際に、「働き方改革」という言葉が使われます。
人事制度の構築や変更を検討する人事担当者が「働き方改革」施策を検討するに当たっては、2018年7月に公布された「働き方関連法」に関する法改正の内容や、これに先立つ政府の「働き方改革実行計画」を理解しておく必要があります。
「働き方改革」の用語解説
働き方改革関連法が可決・成立し、企業にも具体的な対応が求められます。企業の人事担当者が押さえておくべき「働き方改革」のキーワードをピックアップ。労働問題を扱う新進気鋭の弁護士が、用語の概念と企業が取るべき具体的な対策方法を解説します。初回は「働き方改革」の大枠を解説します。
(1)働き方改革関連法の成立
18年6月に労働基準法、労働契約法など計8本を法改正する「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律」(働き方改革関連法)が成立しました。
働き方改革関連法の成立までの経緯を簡単に説明しますと、政府主導により設置された「働き方改革実現会議」において「非正規雇用の処遇改善」「長時間労働の是正」「柔軟な働き方がしやすい環境整備」など、9つのテーマについて具体的な方向性を示すための議論がなされ、17年3月に「働き方改革実行計画」が公表されました。
その後、労働政策審議会において議論が引き継がれ、法律案要綱も作成されました。しかし法案化の過程で、企画業務型裁量労働制の対象範囲追加の部分が削除されました。そして、18年4月に国会に法案が提出され、同年6月に成立したのです。
「働き方改革関連法」の概要は、働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律の概要や、リーフレット「働き方改革〜一億総活躍社会の実現に向けて」によって確認することができます。
企業として特に重要となるのは、(1)「時間外労働の上限規制」などの労働時間に関する制度の見直し、(2)「同一労働同一賃金(非正規社員の処遇改善)」(関連記事)に関する改正です。
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