【チェックリスト】
副業・兼業を許可制にする場合でも、職務専念義務や秘密保持義務・競業避止義務との関係を検討する必要があります。さらに、長時間労働の防止や健康管理の観点から、労働時間の把握と管理が必要になります。
以下は、副業・兼業を許可制にする場合のチェックリストです。
1. 副業・兼業に関する動向を把握し、資料を入手したか?
2. 副業・兼業に関する規定・運用を確認したか?
3. 副業・兼業を許可する場合、いかなる条件を設けるか?
4. 許可条件を順守しているかをどのように把握するか?
5. 副業・兼業の時間(労働時間)を把握する際の留意点は?【注】
【注】
副業・兼業では、労働時間の規制にも注意が必要です。労働基準法38条1項では、異なる事業場における労働時間を通算することとしており、事業主(使用者)が異なる場合でも通算されるからです(昭和23年5月14日基発769号)。
労働基準法は強行法規なので、労働者側との合意によって上記通算を排除することはできません。また、労働時間に該当するか否かは客観的に決まる(当事者間の合意によって決まるものではない)というのが判例(最一小判平成12年3月9日)なので、「就業規則や合意書で『副業・兼業の時間は労働時間には該当しない(算入しない)』という取り扱いもできません。
副業・兼業における労働時間管理については、チェック項目「1」で挙げた「ガイドライン」や「Q&A」で解説されています。
高仲幸雄(たかなか ゆきお)
中山・男澤法律事務所パートナー 弁護士
早稲田大学法学部卒業。2003年弁護士登録。現中山・男澤法律事務所所属。国士舘大学21世紀アジア学部非常勤講師。著者に『改訂版 有期労働契約 締結·更新·雇止めの実務と就業規則』(日本法令)、『異動・出向・組織再編 適正な対応と実務』(労務行政)など著書多数。
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