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ガツガツしなくても、売り上げが劇的に伸びるトーク術心理カウンセラーが分析(1/6 ページ)

» 2018年08月02日 07時28分 公開
[ITmedia]

応援される営業術:

 会社で応援される人に、どのような傾向があるのか。信頼、誠実、謙虚など、さまざまな言葉が浮かんでくるが、やはり一生懸命仕事をする人は応援されやすい。そして、絶対に欠かせないのが「結果」である。

 例えば、「営業の成績が伸び悩んでいる」人は、どのようにすれば売り上げを伸ばすことができるのか。結果を残すためには、何をすればいいのか。本特集「応援される営業術」では、営業経験者ではなく、さまざまな業界で活躍している人にアドバイスをいただく。

 どうすればピンチを脱出できるのか、どうすれば成長できるのか、どうすれば未来を描けるのか。課題を克服するヒントをつかんでいただければ幸いだ。


 営業では「売ろうとしないことが大事」と言われている。周りにも、売ろうとしていないのに成績優秀な営業マンがいるかもしれない。

 例えば、口下手だけどなぜか売れる人、オフィスにいるだけでいつもお客さんから名指しで相談を受ける人などだ。これは極めて自然な現象とも言える。自分がお客の立場で、営業マンに「これいいよ」「買って」とガツガツ売り込まれたらどう感じるだろうか。普通は不快に感じるはずだ。

 ただ「売ろうとしない」は「何もしない」ではない。ここが案外誤解されやすい。売ろうとしないのに売れる営業マンは、行動としては何もしていないが、目に見えない心理の世界では、お客さんとのやりとりの中で実に重要なことをやっている。何をやっているかというと、相手の信頼を得ているのだ。

 「この商品いいですよ」「使って」「買って」といったアピールはしない。しかし、相手との会話の中で、「この商品よさそうだ」と感じさせ「使ってみたい」「買ってみようか」と思わせる。もう少し具体的にいうと「この人が勧めるならいい商品なのだろう」と思わせる。

売ろうとしていないのに成績優秀な営業マンがいる。彼ら・彼女らが心がけていることは? (写真提供:ゲッティイメージズ)

 その根底にあるのが信頼である。信頼されているから自然と売れ、リピートが生まれるのだ。

 営業全体のプロセスで見ると、手間や時間の9割は信頼獲得のために使ってよいと筆者は考えている。自分が持つ商品の提案は残りの1割で十分だ。

 1時間の商談なら、54分は信頼を得るために使い、最後の6分で「こういう方法がありますよ」と提案する。それくらいのバランスで取り組むことが「売ろうとしないのに売れる人」になるポイントだ。

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