会社で応援される人に、どのような傾向があるのか。信頼、誠実、謙虚など、さまざまな言葉が浮かんでくるが、やはり一生懸命仕事をする人は応援されやすい。そして、絶対に欠かせないのが「結果」である。
例えば、「営業の成績が伸び悩んでいる」人は、どのようにすれば売り上げを伸ばすことができるのか。結果を残すためには、何をすればいいのか。本特集「応援される営業術」では、営業経験者ではなく、さまざまな業界で活躍している人にアドバイスをいただく。
どうすればピンチを脱出できるのか、どうすれば成長できるのか、どうすれば未来を描けるのか。課題を克服するヒントをつかんでいただければ幸いだ。
筆者は20代のころにホストクラブという浮世離れした世界に身を置いていました。ホストは自分自身が商品。そこで5年間連続ナンバーワンという成績を叩き出し、その経験をもとに現在は多種多様な法人で営業研修やコンサルティング活動をしています。
「商品を売る前に自分を売れ!」を合言葉に自分が売れれば何でも売れることを提唱し、自らイチ営業マンとして、また研修させてもらっている法人の営業成績が伸びていることでそれが実証できていると実感しています。これまでの経験から営業マンにお伝えしたいことがあります。それは徹底的にお客さまの話を聞くことです。
話を聞くというと簡単なことのように思うかもしてませんが、ただ聞くだけでは優秀な営業マンとは言えないでしょう。まずはなぜ徹底的に話を聞くのかという目的をしっかり理解することが重要です。
筆者は大きく分けて「信頼関係の構築」と「お客さまのニーズとウォンツと確認」の2つの目的があると思っています。当然のことですが、お客さまは信頼できる人から商品やサービスを買いたいものです。では、どうすれば人から信頼を得ることができるのでしょうか? これは意外と簡単なことで、「自分のことを理解してくれた、認めてくれた」と相手が感じると、こちらを信頼してくれるのです。
売れない営業マンの方で、とにかくまくし立てるように一方的に自分の話をする方や、商品の説明や利点を懸命に話している方がいますが、これが一番の間違いです。
買い手の心理からすると、商品を買う前に、この人は信頼していい人かどうかを見ているのです。営業マンが信頼関係を築くためには、お客さまの話をしっかりと聞いて、相手の存在や話を理解したり、相手を認めたりする必要があります。
スゴ腕営業マンは、信頼関係を築くことに非常に時間をかけており、商品の説明や売り込みにさほど時間を割きません。信頼関係さえあれば、この人の勧める商品なら間違いない、という心理を理解しているからです。というわけで余計な営業トークはせずにとにかく話を聞き、自らの信頼度を上げる努力をするのです。
また、お客さまは押し売りされるのを本当に嫌がります。自らの意志で購買を決定したいのです。そうしないと後から後悔しますし、場合によっては、クレームや返品する可能性もありえます。まずはしっかりと相手の話を聞くことで、相手は何が必要なのか、どんな問題を解決したいのか、望んでいるものが何なのかを把握します。
相手のニーズとウォンツも分からないうちから、とにかく「この商品はいいですよ」と伝えても、お客さまは置いてけぼりの感が否めませんよね。スゴ腕営業マンが、まずは何をおいても相手の話を聞くことに徹するのはこういう理由だからです。何より信頼関係がない営業マンに、自分の悩みや課題や、将来こうなりたいなど、自己開示をすることはあり得ないので「話を聞く」ことは非常に重要です。
別の角度から言うと、信頼関係があれば、お客さまは商品よりも人を買ってくれたというウェイトが大きくなるので、極端な話ですが、商品やサービスに満足しなくても、あなたを応援したことに満足してくれることも往々にしてあるので、信頼関係を築く為に相手の話を聞くことは本当に大切なことです。
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