なぜドンクのフランスパンは、年240万本も売れているのか水曜インタビュー劇場(カタイ公演)(1/6 ページ)

» 2018年09月12日 08時00分 公開
[土肥義則ITmedia]

 神戸生まれのベーカリー「ドンク」のフランスパンが、売れに売れている。1965年に本格的なフランスパンを発売したものの、当時の日本人は「やわらかいパン」に慣れていたので、「かたいパン」にそれほど興味を示さなかった。しかし、翌年。日本に在住していたフランス人を中心に火がつき、あれよあれよという間に広がっていったのである。

 このように書くと、「本当に? あれよあれよという間に、かたいパンが売れていったの?」と思われたかもしれないが、ウソではなく、盛っているわけでもない。本場・パリの人気ベーカリーで、フランスパンは1日に1000〜1500本売れているそうだが、ドンクの青山店(現在は閉店)は1日に3500本ほど売れていたのだ。ちなみに、繁忙期の12月は1日に5000本売れたことも。

ドンクで販売しているバゲット。特徴は薄くパリッとした皮(価格は税込324円)

 菓子パンなどと違って、フランスパンは店によって味の違いを出すのが難しいようにも感じるが、なぜドンクの商品は長く愛されているのか。コンテストなどでさまざまな賞を手にしている、同社のパン職人・佐藤広樹さん(上席執行役員)にロングセラーの秘密を聞いた。聞き手は、ITmedia ビジネスオンラインの土肥義則。

ドンクの西武池袋店
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