「機動戦士ガンダムZZ」では、ジュドーたちはエゥーゴに参加するまでコロニー近くに漂うジャンクを回収することで生活費を補っていた。状態が良ければ(生きていれば)高値で買い取ってもらえるなど、市場原理に基づいたリサイクルシステムが出来上がっているようだ。金銭的なインセンティブの下で、子どもも労働力を供給している点も短期的にはインフレ抑制につながる(長期的には教育を受けて労働生産性を高めた方が良い)。
戦後の日本も、子どもがくず鉄拾いをしていたが、それが大規模・高度化した形と考えると分かりやすい。ジャンクの回収などのリサイクルシステムが効率的で、全てではないにせよ生産能力の減少を補うことができたのだろう。「逆襲のシャア」で、アデナウアー・パラヤが「地球には海岸掃除の仕事が山ほどあるよ」と言っているが、皮肉ではなく、重要な仕事なのかもしれない。
MSの研究開発や生産効率の上昇は、コロニーの補修やジャンクを回収するプチモビの生産性などに影響を与える。新機軸のミノフスキー粒子を用いた動力炉の製造ノウハウ・歩留まり向上は、他の民需物資にも影響を与えただろう。
月という最大の工業地帯が温存され、一年戦争後のアナハイム・エレクトロニクスの隆盛を見ると、戦争特需以上の収穫があったことがうかがわれる。戦争中の技術進歩が、生産性の向上をもたらした可能性がある。現実世界の歴史を振り返っても、自動車や航空機のエンジンは戦争により大きく進歩したからだ。
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