世田谷パン祭りによってパンの集客力が示され、パンイベントは一気に広まった。なぜパンには人を引き付ける力があるのか。間中さんはこのように話す。
「パン屋さんって、すごく個性的なんです。昔ながらの店も、新しい店も、個性を出しやすい。パン祭りに出店するパン屋さんも、考え方やポリシーはさまざまで、それが商品に反映されています。その違いを知れば知るほど、面白いと感じるようになりました」
パンの形や名称が面白いものもあれば、選び抜いた素材を使っているパンもある。今回出店した店舗だけでも、国産小麦や天然酵母を使ったパンが売りの店、欧州の伝統的製法を大事にしている店、卵や乳製品ではなく豆腐や豆乳を使っている店、もちもちの食感が特長の店――など、多種多様だ。
だから、パンイベントと一言で言っても、開催する地域が変わればその内容も大きく変わる。地域の店だけを集めても個性豊かで、それが地域の魅力にもなる。パンは、まちづくりの一環として活用できる食べ物の一つだったのだ。
間中さんはこれからの世田谷パン祭りについて、「新しい形の『地域のお祭り』にしていきたい」と話す。20年には10回目の節目を迎える。回数を重ねながら、地域のお祭りとして確立させるための仕組みを考えてきた。
「パンというテーマに限らず、『こんなお祭りをやりたい』という人たちに参考にしてもらえるようになれば。地域の人や他の地域の人、そして海外の人も、このイベントを目当てに地域にやってくる。そんなお祭りにしていきたいですね」
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